三人の狙撃者

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三人の狙撃者
Suddenly
監督 ルイス・アレン
脚本 リチャード・セイル
製作 ロバート・バスラー英語版
出演者 フランク・シナトラ
スターリング・ヘイドン
ジェームズ・グリースン英語版
ナンシー・ゲイツ英語版
キム・チャーニー
クリストファー・ダーク英語版
音楽 デイヴィッド・ラクシン
撮影 チャールズ・G・クラーク英語版
編集 ジョン・F・シュライヤー(John F. Schreyer)
配給 ユナイテッド・アーティスツ
公開 1954年10月07日(米国)
上映時間 75分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
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三人の狙撃者 (Suddenly)

三人の狙撃者』(原題:Suddenly)は、1954年に公開されたアメリカの犯罪映画(フィルム・ノワール)である[1]。監督はルイス・アレン、脚本はリチャード・セイルが務め、フランク・シナトラスターリング・ヘイドンジェームズ・グリースン英語版ナンシー・ゲイツ英語版らが出演した[2]

大統領の訪問を控えた田舎の小さな町を舞台に、大統領狙撃を目論む暗殺者たちと暗殺計画に巻き込まれた人々のやりとりが描かれる。

現在はパブリックドメイン作品になっている。

あらすじ

1950年代のアメリカ。ある日、大統領が休暇を利用してカリフォルニア州の田舎町サドンリー(Suddenly)を訪問する事が決定する。サドンリーの地元警察やシークレットサービスが警備体制を整える中、元シークレットサービスのポップ、その息子の妻エレン、孫ピッジの3人が暮らすベンソン家へ3人の男達が現れた。彼らは連邦捜査局(FBI)のエージェントのジョン・バロン、ベニー・コンクリン、バート・ウィーラーを名乗り、ベンソン家は大統領の特別列車が到着する予定になっている駅を見下ろす丘の上にある為、保安上の理由から調査が必要だと説明する。

そこへ地元保安官トッド・ショウとシークレットサービスのダン・カーニーが同じく保安上の調査の為にベンソン家を訪れる。ポップはFBIの3人を紹介するが、カーニーは彼らの様子がおかしい事に気づく。次の瞬間、バロンらは銃を抜いてカーニーを射殺し、ショウの腕にも怪我をさせた。実は彼らこそが大統領暗殺を目論む暗殺者の一団だったのである。こうして一家とショウを人質に家を占拠したバロンらは、窓に狙撃銃を据え付けて大統領を待ち構える。

キャスト

トッド・ショウ保安官に扮するヘイドン

評価

本作の公開当時、『ニューヨーク・タイムズ』紙の映画批評家ボズレー・クラウザーは、本作の内容や演技を高く評価している[3]。また『バラエティ』誌でも同様に演技を高く評価している[4]

映画評論家カール・マゼック(Carl Mazek)はジョン・バロンの「マキャヴェリ主義者的な態度」について、『大いなる夜』(1951年)や『キッスで殺せ!』(1955年)などとの関連を見出している。また本作の閉所恐怖症的演出や非道徳的描写(amoral)を踏まえ、『必死の逃亡者』(1955年)などとは好対照の作品であるとしている[5]

歴史

影響

ジョン・バロンと人質たち

本作公開から5年後の1959年、かつてハリウッドで広報担当者を務めた小説家リチャード・コンドン英語版の小説『影なき狙撃者』が発表される。『影なき狙撃者』はその結末が本作と非常に類似していた。1962年には『影なき狙撃者』もシナトラ主演で映画化された。本作での役柄は大統領暗殺を目論む復員兵であったが、『影なき狙撃者』でのシナトラは復員兵による大統領暗殺を阻止するべく奔走する元上官を演じた。

2013年、ドイツの映画監督ウーヴェ・ボルによるリメイク版『ザ・シューター 大統領暗殺』(原題:Suddenly)が発表された[6]ドミニク・パーセルが主演を務めた。

著作権の消滅

本作の著作権は更新されなかった為、現在ではパブリックドメイン作品となっており、インターネット上での無料視聴も可能である[7]

ソフト化も複数のメーカーによって行われ、いわゆるパブリックドメインDVDとして安価に流通しているものも多い。1986年にはハル・ローチ・スタジオ英語版社による着色版が家庭向けビデオソフトとして発売されたが、ハル・ローチ版では青色であるはずのシナトラの瞳が茶で着色されていた[8]。2009年6月16日にはレジェンド・フィルムズ英語版社から新たな着色版がDVDソフトとして発売された。このバージョンにはオリジナルの白黒フィルムから復元された新たなシーンの追加も行われている。

脚注

  1. ^ Selby 1984, p. 184.
  2. ^ Suddenly - American Film Institute Catalog(英語).
  3. ^ Crowther, Bosley. "Film review: Suddenly". The New York Times, October 8, 1954.
  4. ^ Variety, film review, Suddenly, January 1, 1954.
  5. ^ Silver and Ward 1982, p. 275.
  6. ^ Suddenly (2013) - IMDb(英語)
  7. ^ インターネットアーカイブsuddenly
  8. ^ Suddenly - オールムービー(英語).

参考文献

外部リンク