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ヴァイオリンソナタ (フランク)

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ピアノとヴァイオリンのためのソナタ イ長調(Sonata Pour Piano et Violon en La majeur)はベルギー出身の作曲家・オルガニスト、セザール・フランクが1886年に作曲したヴァイオリンピアノのためのソナタフランス系のヴァイオリンソナタの最高傑作といわれる。

概要

4楽章からなり、いくつかの動機を基にして全曲を統一する循環形式(フランクが得意とした作曲技法で、交響曲ニ短調でも用いられている)で作曲されている。また、このソナタはピアノとヴァイオリンの音楽的内容が対等であり、ピアノはヴァイオリンの伴奏ではなく、ヴァイオリンも単なる独奏楽器ではなく、ピアノとヴァイオリンの二重奏曲と呼ぶべき大曲である。同郷の後輩であるヴァイオリニスト、ウジェーヌ・イザイに結婚祝いとして作曲され献呈された。

アルフレッド・コルトーは、全曲をピアノ独奏用に編曲している[1]。ほかにフルートチェロ編曲版もよく演奏される。今日においても非常に高く評価されている録音は、ジャック・ティボー(ヴァイオリン)とアルフレッド・コルトー(ピアノ)によるものである。

各楽章について

  • 第1楽章:Allegretto ben moderato 8分の9拍子 イ長調 展開部のないソナタ形式によっており、属九の和音による開始は非常に印象的である。第2主題はもっぱらピアノのみによって奏される。
  • 第2楽章:Allegro 4分の4拍子 ニ短調 ソナタ形式によっている。きわめて情熱的な楽章で、ピアノ、ヴァイオリン双方に高度な演奏技術を要する。
  • 第3楽章:Recitativo-Fantasia (ben moderato) 2分の2拍子 幻想的な叙唱と題された自由な形式による楽章。調性表記は無いが、転調を重ねて最後には嬰ヘ短調で終結する。
  • 第4楽章:Allegretto poco mosso 2分の2拍子 イ長調 ヴァイオリンとピアノのカノン風の楽想による自由なロンドソナタ形式。最後を飾るにふさわしい輝かしいフィナーレである。

演奏

(フルート版)

外部リンク