レナード・ヘイフリック

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レナード・ヘイフリック(Leonard Hayflick, 1928年5月20日 - )はアメリカ合衆国生物学者。専門は解剖学老年学カリフォルニア大学サンフランシスコ校教授。

経歴

フィラデルフィア生まれ。1946年ペンシルベニア大学に入学して間もなく陸軍に入隊し、1948年に復学、1951年に卒業し教養学(化学、微生物学)の学士号を取得。1956年に同大学院からPh.D.を取得し、テキサス大学ガルベストン校でポスドクとなった。1958年にウィスター研究所助手となり、1968年スタンフォード大学教授、1982年フロリダ大学教授に就任、1988年から現職。

ヘイフリックの研究は細胞分裂の分野で最もよく知られ、ヒトの正常な体細胞は生涯のうち約50回しか分裂できず、アポトーシスによって死滅することを示した(ヘイフリック限界)。それにより、アレクシス・カレルよって1908年に提唱された「脊椎動物の細胞は無期限に分裂する可能性があり、不滅である」という論文を反証した[1][2]。また、1962年には胎児の肺に由来する繊維芽細胞WI-38英語版株(Wistar Institute-38)を樹立・培養し、各種ワクチンの開発にも携わっている。

著書

  • 『人はなぜ老化するのか』 川島誠一郎 訳 日本経済新聞社 1983年
  • 『人はなぜ老いるのか』 今西二郎、穂北久美子 訳 三田出版会 1996年

脚注

  1. ^ Hayflick, L. & Moorhead, P.S. (1961): The serial cultivation of human diploid cell strains. In: Exp. Cell Res. 25:585-621. PMID 13905658 doi:10.1016/0014-4827(61)90192-6
  2. ^ E. Kleideiter: Telomere und Telomerase - ihre Bedeutung als prognostischer Tumormarker und ihr Potential für pharmakologische Interventionen. Dissertation, チューリンゲン大学, 2003. PDF

参考文献

  • メレディス・ワッドマン 著『ワクチン・レース ウイルス感染症と戦った、科学者、政治家、そして犠牲者たち』 羊土社 2020年

関連項目