ポックスウイルス科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Smilesworth (会話 | 投稿記録) による 2022年5月28日 (土) 05:03個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ポックスウイルス科
天然痘ウイルスの電子顕微鏡写真。
分類
レルム : ウァリドナウィリア Varidnaviria
: バンフォルドウイルス界 Bamfordvirae
: 巨大核質DNAウイルス門 Nucleocytoviricota
: ポッケスウイルス綱 Pokkesviricetes
: キトウイルス目 Chitovirales
: ポックスウイルス科 Poxviridae
学名
Variola virus
亜科

ポックスウイルス科 (Family Poxviridae) は、ウイルスの分類における1科である。

この科に属するウイルスは線状の2本鎖DNAをゲノムとして持つDNAウイルスであり、そのビリオンは220-450nm×140-260nm×140-260nmの煉瓦状ないし卵形で、エンベロープを有する。通常のエンベロープを持つウイルスとは異なり、エーテル耐性のものも存在する(オルソポックスウイルス属、アビポックスウイルス属)。また、ウイルスの増殖は他のDNAウイルスと異なり、宿主細胞の細胞質内で行われる。

感染経路としては経気道や接触によるものが多く、節足動物による機械的伝播も起こりやすい。ポックスウイルス科による病気の特徴は皮膚の発疹様斑紋である。ポックスウイルス科のウイルスによる疾患としては天然痘が有名である。

特徴

ポックスウイルスはレンガ型あるいは卵形をしたウイルスであるが、全長が220-450nmもある(→インフルエンザウイルスヒト免疫不全ウイルスではだいたい100nmほど)大きなDNAウイルスである。また、通常のDNAウイルスは感染細胞の酵素を借りて核内で増殖するが、ポックスウイルスはDNA複製に必要な酵素のほとんどを自前で持っているため、細胞質内で増殖を行う。

分類

関連項目

参考文献

  • 鹿江雅光、新城敏晴、高橋英司、田淵清、原澤亮編 『最新家畜微生物学』 朝倉書店 1998年 ISBN 4254460198
  • 原澤亮 「動物ウイルスの新しい分類(2005)」 『獣医畜産新報』 58号 921-931頁 2005年