ツルマメ
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ツルマメ | |||||||||||||||||||||
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ツルマメ
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Glycine soja Siebold & Zucc. | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
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和名 | |||||||||||||||||||||
ツルマメ |
ツルマメ(Glycine soja)は、マメ科ダイズ属のつる植物。ダイズの原種とされる。
形態
つる性の植物で、茎の長さは1-4m[1]。茎には茶色の毛が密集する。葉は3枚の小葉からなり、各小葉は楕円形で、長さ3.5-6.0cm、幅1.5-2.5cm[1]。花期は7-8月[1]で、花は紫色の2枚の花弁と、それより小さい2枚の淡紫色の花弁からなる。染色体数は2n=40[1]。
利用
ツルマメはダイズの原種とされるが、莢の成熟が不揃いであるなど農業的な特性はダイズに大きく劣る[2]。しかしツルマメはダイズとの交雑が可能であることが知られており、さまざまな特徴を持ったツルマメの系統がダイズの品種改良に利用されている[3]。
例えばタンパク質含有量を増加させる遺伝子を持った系統[4]や、抗酸化作用があるといわれるグループAサポニンの多い系統[5]などが発見されている。しかしイソフラボン含有量はダイズに劣る[2]。
考古学的には近年栽培ダイズをはじめとする縄文時代前期から中期のダイズ属やササゲ属の植物圧痕の存在が確認され注目されているが、2009年には山梨県北杜市長坂町の酒呑場遺跡から縄文前期のツルマメ圧跡が確認され、縄文前期からの利用の可能性が考えられている。[6]。
ギャラリー
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葉 -
花 -
果実 -
他の植物に巻きついて生育するツルマメ
脚注
- ^ a b c d Flora of China Vol.10 p.251
- ^ a b 境哲文 , 菊池彰夫 , 島田尚典 , 高田吉丈 , 河野雄飛 , 島田信二「ダイズ子実中のイソフラボン含量および組成の品種・系統間差異と子実特性および播種時期との関係(品質・加工)」日本作物學會紀事 74(2), 156-164
- ^ 王克晶、高畑義人、海妻矩彦(2002)「中国におけるダイズ野生祖先種ツルマメ(Glycine soja)遺伝資源の状況およびその利用」農業および園芸 77(10), 1101-1106
- ^ 海妻矩彦、福井重郎(1974)「ツルマメ(Glycine soja Sieb. and Zucc.)の種子たんぱく質および含硫アミノ酸含量の系統間差異とその育種的意義」育種學雜誌 24(2), 65-72
- ^ Tsukamoto, C. et al. (1992) Group A acetyl saponin-deficient mutant from the wild soybean., Phytochemistry, 31, 4139-4142
- ^ 中山誠二・長沢宏昌・保坂康夫・野代幸和・櫛原功一・佐野隆「レプリカ・セム法による圧痕土器の分析(3)―山梨県天神遺跡、酒呑場遺跡-」『山梨県立博物館研究紀要』(第3号、2009年)