タムシバ

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タムシバ
タムシバ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: モクレン目 Magnoliales
: モクレン科 Magnoliaceae
: モクレン属 Magnolia
: タムシバ M. salicifolia
学名
Magnolia salicifolia (Sieb. et Zucc.) Maxim.
和名
タムシバ
英名
willow-leafed magnolia
anise magnolia

タムシバ(田虫葉、学名:Magnolia salicifolia)はモクレン科モクレン属の落葉小高木。別名を「ニオイコブシ」といい、花には芳香がある。早春に白い6弁花をに先立って咲かせる。

他に「カムシバ」の別名をもつ。こちらは「噛む柴」で、葉を噛むとキシリトールのような甘味がするためにこの名前がついた。これが転じて「タムシバ」となったといわれる。

特徴

花はコブシに似るが、コブシが花の下に葉が一枚ついているのに対し、タムシバは花の下に葉がないので見分けは容易である。

葉はコブシの葉が広倒卵形であるのに対し、タムシバは広披針形または長楕円形で、かつタムシバの方が細長い。葉裏もタムシバの葉裏は白味を帯びている(コブシは緑色)。またタムシバの葉は噛むと独特の甘味がある。

果実は袋果が集まった集合果で、タムシバの果実はコブシに比べるとやや小型で、形も捻じ曲がらない。

3月末から4月初旬にまだ冬枯れの山々を白く彩るタムシバ(高木型)

高木型と低木型

タムシバは西日本に分布する高木型と東日本に分布する低木型がある。高木型は雄しべ数40~60、雌しべ数30~50であり、低木型は雄しべ数50~70、雌しべ数15~40と大きく異なっており、これら2型は別種と考えられる(未記載)。[1]

用途

  • 庭木
  • コブシと同じように、その蕾が『辛夷』として漢方薬に利用される。

脚注

  1. ^ 高橋和規 『モクレン科タムシバの種分化』 森林総合研究所関西支所研究情報 No.98 2010年。