キシリトール

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キシリトール[1]
識別情報
CAS登録番号 87-99-0
特性
化学式 C5H12O5
モル質量 152.15 g/mol
密度 1.52 g/cm3
融点

92-96 °C

沸点

216 °C

関連する物質
関連するアルカン ペンタン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
キシリトールの結晶
フィッシャー投影式

キシリトール (xylitol) は化学式 C5H12O5 で表される、キシロースから合成される糖アルコールの一種。メソ化合物である。天然の代用甘味料として知られ、最初はカバノキから発見されギリシア語 Ξυλον(Xylon、木)から命名された。北欧諸国で多用されている。旧厚生省は天然にも存在する添加物に分類している[2]

冷涼感があり、後味の切れが早い。スクロースと同程度の甘みを持ち、カロリーが4割低い。分子量は152.15である。また、加熱による甘みの変化がないため、加工にも適している。

医学適応[編集]

う蝕
キシリトールは口腔内の細菌による酸の産生がほとんどないことから、非う蝕性甘味料として知られる。1976年にSheininらがフィンランドで行った実験をはじめとして、う蝕予防効果があることが証明されている。しかし、キシリトール配合のガムなどによってう蝕が治るということはないとされている。現在のところ、キシリトールの再石灰化促進作用は証明されておらず、疑問視されているためである。現状では非う蝕原性であるが抗う蝕性であるとは言えない(ガムをかむことにより分泌される唾液による歯の再石灰化効果はあるものの、それは「キシリトールそのもの」とは関係がない)。
糖尿病
キシリトールは上記の通り、スクロースに比べカロリーが4割低い。この他、スクロースより吸収速度が遅いため、血糖値の急上昇や、それに対するインスリンの反応を引き起こさない。
骨粗鬆症
キシリトールはまた、骨粗鬆症の治療に役立つ可能性が指摘されている。フィンランドの研究者グループは、研究のネズミで骨の弱体化が防がれ、骨密度が改善されたことを発見した[3][4]
急性中耳炎
キシリトールのガムが急性中耳炎を防ぐのに役立つことを示した研究報告もある[5]

健康上の問題[編集]

キシリトールは他の糖アルコールの大部分と同様、弱い下剤の働きをする。毒性は特に無いとされる。 主にガムなどでキシリトール配合による虫歯予防を謳っている製品があるが、ガムに含まれているキシリトールの比率が90%以上でなければキシリトールの虫歯予防本来の効果は期待できない。一例を挙げれば、歯科専売のキシリトールガムは100%~90%となっているが、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで市販されているキシリトールガムは一部を除いて70~30%が主である。

イヌへの影響[編集]

イヌに対してはインスリンの分泌を促進し、長期間かつ多量に与えた場合には肝臓へのグリコーゲンの蓄積が起こるが、単回投与における毒性は極めて低いとされる[6]。獣医師による研究ではイヌが摂取した場合、多量のインスリンを放出し肝機能に影響が出るなど、場合によっては生命に危険が及ぶとの報告もある。このため、イヌ科の動物にはタマネギニンニク同様、キシリトール入りのお菓子を与えてはいけない[7] [8]ウシヤギウサギヒヒについてもキシリトールの静脈投与により多量のインスリンが分泌されると報告されている。

参考文献[編集]

  1. ^ MSDS for xylitol
  2. ^ 厚生省「表5 食品添加物の年齢別摂取量」マーケットバスケット方式による年齢層別食品添加物の一日摂取量の調査 (平成12年12月14日 厚生省) (日本食品化学研究振興財団)
  3. ^ Mattila, P. T.; Svanberg, M. J.; Jamsa, T.; Knuuttila, M. L. (2002). "Improved bone biomechanical properties in xylitol-fed aged rats". Metabolism 51(1): 92–96. オンライン版アブストラクト
  4. ^ Mattila, P. T. (1999). "Dietary xylitol in the prevention of experimental osteoporosis: Beneficial effects on bone resorption, structure and biomechanics". Dissertation, Institute of Dentistry, University of Oulu. オンライン版
  5. ^ Uhari, M. et al. (1998). "A novel use of xylitol sugar in preventing acute otitis media". Pediatrics 102(4): 879–974.
  6. ^ 厚生労働省行政情報 食品衛生調査会関係資料 別添1 キシリトールの指定について
  7. ^ Eric K. Dunayer, MS, VMD; Sharon M. Gwaltney-Brant, DVM, PhD, DABVT. (2006).: "Acute hepatic failure and coagulopathy associated with xylitol ingestion in eight dogs": オンライン版アブストラクト
  8. ^ キシリトールは犬に危険!?須崎動物病院編

外部リンク[編集]