スルホン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。与謝野鋼管 (会話 | 投稿記録) による 2013年12月20日 (金) 14:05個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎関連項目)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

スルホンの一般式

スルホン (sulfone) は有機化合物のうち、2つのアルキル基がスルホニル基 −SO2− に結合している一群の化合物を指す。中央の硫黄原子は二重結合で2つの酸素と、単結合で2つの炭素と結合している。"sulphone" というスペルも使われたが、IUPACではこれを推奨していない。

合成

多くの場合スルフィドを酸化することによって作られる。過酸化水素メタクロロ過安息香酸Oxoneなどの酸化剤が主に用いられる。途中スルホキシドを経由するが、多くの場合スルホキシドで止める方が難しく、過剰の試薬を加えることで収率よくスルホンが得られる。

反応

スルホニル基は強い電子求引性があり、隣接する炭素は強塩基の作用により水素イオンを引き抜かれ、アニオンを生ずる。ここに各種求電子剤を作用させることで、炭素-炭素結合生成が行える。

アリールアルキルスルホンからアニオンを発生させ、アルデヒドと反応させた上でスルホニル基を脱離させることで、ウィッティヒ反応類似のオレフィン形成が行える。これがジュリア反応(ジュリアカップリングとも)で、トランスオレフィン合成によく用いられる。

関連項目