スリーピー・ホロウ

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「スリーピー・ホロウの伝説」より首なし騎士に追われる主人公イカボッド・クレーン

スリーピー・ホロウ(Sleepy Hollow)とは、アメリカ合衆国北部ニューヨーク近郊で語り継がれている伝説。小説家ワシントン・アーヴィング1820年に発表した短篇集『スケッチ・ブック』中の一篇「スリーピー・ホロウの伝説」として小説化されたことで広く知られる。

概要

キリスト教国のアメリカでは教会の教義(ドグマ)から外れた霊的存在は、保守層から忌避されながらも語り継がれており、その中でスリーピー・ホロウもよく知られている伝説のひとつである。ビッグ・フットジャージー・デビル程の明るさはないが、ゴシック・ホラー的な内容で現在でも人気が高い。

開拓時代、アメリカに渡って来た残虐なドイツ人騎士がいた。彼は殺されて首を斬られたがやがて「首なし騎士(Headless Horseman)」として復活し、光る眼を持つ馬に乗ってニューヨーク近郊の森の中で犠牲者を待っている、というのが伝説の骨子である。スリーピー・ホロウの正確な場所は特定されていないが、ニューヨーク州ウエストチェスター郡が物語の舞台とされている。この付近には同名の地名や建物が数多く存在し、1997年には正式な名称となった村(Sleepy Hollow)が誕生した。

この伝説は、同じくアーヴィングの作品である「リップ・ヴァン・ウィンクル」などとともに、特にハロウィーンの時期などにアメリカ人の間で親しまれる物語となった。ただし、「スリーピー・ホロウの伝説」では、首なし騎士は元はアメリカ独立戦争イギリス軍に参加したヘシアン(ヘッセン大公国出身のドイツ人傭兵)であったという設定になっている。アーヴィングは『スケッチ・ブック』の執筆中に北ヨーロッパへ旅行に向かい、そうした中でスリーピー・ホロウと類似した首なし男の伝説(デュラハン)について取材している。

伝説や上記のアーヴィングの作品を基に幾つもの映画が制作されているが、近年では1999年ティム・バートン監督の作品が有名である。

関連項目