スリングショット (水着)

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スリングショット

スリングショットとは、女性用水着の一種である。マイクロビキニと同様に、肌の露出が比較的大き目の水着として知られている。英語では "Sling Bikini"、 "Two way" (二枚布)あるいは "Suspender bikini"(サスペンダービキニ)と呼ばれる。男性用も存在する(後述)。

デザイン

上と下がつながっている点はワンピースと同じだが、布が縦長で首・胸・臍の横を通って股間まで左右に二分割され、横につながる部分が首と腰(加える部分があるなら下記参照)しか無い点が特徴である。この型が投石器スリングショットに使われる布を連想させるため、その名がついた。

布が上下に渡っている関係上、ブラはホルターネックに比較的近いデザインとなり、ストラップレス(チューブトップ)ビキニと正反対である。このため、ブラの防備は上下の衝撃には万全だが、左右には弱いのが欠点である。その反面、胸を横から見た時の過激さは高く、インパクトはビキニに匹敵する。ツートンカラーを採用する場合、左右に分かれている点を活かし、左右2色に分けられたカラーリングも多い。

バリエーションとして、胸と背中付近の横方向の紐は、以下の4種に大別される。

  1. 背中側にも横方向にもない - もっとも無防備で過激。長大なV字布が肩から股間まで一貫するだけというデザインがあるが、スリングショットでなく「Vストリング」(V字ひも)と呼ばれ、別ものとされることもある。
  2. 内側だけある - 左右の布を連動させ、ずれる危険性を低くしたもの。紐は胸の下に一本でなく、中央にあったり、二本以上あったり、布自体が横方向にも三角形状になっていて布または金属パーツで接続する(右上画像参照)なども存在する。
  3. 背中側だけある - 上記と逆で、胸の間は首から臍まで完全に開く。
  4. 内側にも背中側にもある - 紐は胸の下を通り、背中で紐を蝶結びにするデザインが多く、一般的なビキニと同じ程度の保護となる。

布や紐があまり多いと、単に面積の少ないワンピースであり、これらはプランジング(plunging=急角度落下)、キーホール(keyhole=鍵穴)、ピーカブー(Peekaboo=いないいないばあ)などとも呼ばれる。

ボトムも必然的にハイレグTバックが適用されやすいデザインである。バックスタイルとしてはV字のもの、非常に過激なI字のもの、それとY字のものがある。

着用

元々の発祥地、1990年前後のアメリカのフロリダにおける、ビキニコンテストでの着用がブレークのきっかけである。この頃はスリングショットを着た女性で溢れ、中には「サーキットガール」と呼ばれる、コンテストの賞金で生計を建てる、プロのスリングショットモデルもおり、さまざまなコンテストで毎回異なるスリングショットを着用してファンを楽しませた。日本で言うローカルなグラビアアイドルに近い存在と言える。サーキットガールはスリングショットでダンスを披露するため、ビキニバイトと呼ばれる接着剤で、水着と胸を接着してズレを防いでいた。フロリダのローカル番組ではビキニコンテストの内容が放送、「bikini beach party」というコンテストのビデオも発売された。

これらは日本国内でも『世界まる見え!テレビ特捜部』で1994年に紹介された、Cindy Richというサーキットガールがスリングショットで登場した。Cindyのスリングショットは正面にラメが施され、バックはテグスのような細い糸が1本だけある、大変セクシーなデザインだった。紹介VTRでは黒のメッシュタイプのスリングショット(胸に星型のパッチ、バックは黒い紐が1本)が披露される。これらはゴールデンタイム枠とは思えない過激な内容であった。同じくして日本人が企画で着たものでは、日本テレビ系列の『投稿!特ホウ王国』にて「これ以上はとても・・・日本一大胆な水着で泳ぐ美女」「ここまでやるか!日本一大胆な水着で泳ぐ美女」というネタがあり、どちらも公共プール施設にて、スリングショットて泳ぐ女性の映像が存在した。

このように日本では過激なデザインとして捉えられ、グラビアアイドルの一部に見られる程度となっており、一般に使用される水着としてはあまり見られていない。逆に露出プレイの一環として、公共プールなどでスリングショットをあえて着用する女性もいる。

男性用

男性用スリングショットはマンキニ(英語:mankinimanbikiniかばん語)と呼ばれる。

2006年5月に行われたカンヌ国際映画祭映画ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』のプロモーションで、主演俳優のサシャ・バロン・コーエンが蛍光緑のマンキニ姿を披露したことから有名になった[1]イギリスニューキーなど、一部の海水浴場では着用を禁止されている[2]

2009年にはコリンズ英語辞典[3]、2011年8月にはオックスフォード英語辞典にも収録され[4]、話題になった。

日本では「ムタンガ」(Mutanga)と銘打ってこの水着を販売しているところが存在する[5]。またテレビ番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』で放送された人気コント「放課後電磁波クラブ」で、今田耕司東野幸治が着用したことでも知名度を上げた。

出典

  1. ^ Josh Friedman & Lorenza Munoz, "Fox scales back `Borat' movie's opening; The comedy will first be shown in 800 theaters, down from 2,000, amid a lack of awareness", The Los Angeles Times, page C1, 2006-10-25
  2. ^ Mankini ban helps improve Newquay's image(BBC)
  3. ^ Lexicographers prefer a mankiniBBC
  4. ^ These Are the New Words In the Concise Oxford English Dictionaryギズモード 著:Jesus Diaz)
  5. ^ マンキニ、ムタンガとは何か?どういう意味か?

関連項目