スナイダー・村上彗星
スナイダー・村上彗星(スナイダー・むらかみすいせい、Comet Snyder-Murakami、C/2002 E2)は、2002年に出現した彗星のひとつ。
発見
2002年3月11日早朝(現地時間)、アメリカ・アリゾナ州のアマチュア天文家ダグラス・スナイダーは、パロミナスの私設観測所で彗星捜索中に、わし座の中に星雲星団カタログにない微かな光斑を認めた。30分間の観測中にその天体が北に移動することを確認し、新彗星として国際天文学連合に報告した。50cmf/5.0ドブソニアン望遠鏡による眼視発見で、13等級・コマ直径4分角と報告した[1][2]。
スナイダーの発見から7時間後、新潟県のアマチュア天文家村上茂樹も12日4時(JST)彗星捜索中に彗星状天体を発見した。46cm f=2037mm自作ドブソニアン望遠鏡68倍による眼視発見で、11等級視直径3分角で北東に移動していることを確認した。星雲星団や既知の彗星でないことを確認した後、中野主一(天文電報中央局・小惑星センターアソシエイツ)と国立天文台にFAXと留守電で報告後、さらに天文電報中央局にeメールで(英文で)直接報告した[3]。
新彗星は、村上の中央局への報告の2時間後には各地で確認され、新彗星「2002 E2」として公表され[4]、13日に、初期放物線軌道と共に「スナイダー・村上彗星」の命名が公表された[5]。
発見時の話題
スナイダーは、退職後にカリフォルニアから星のよく見えるアリゾナへ移住し、彗星捜索を開始してから70時間後の発見。アメリカでの彗星の眼視発見は4年ぶりであった。
村上は1996年に捜索を再開してから180時間での発見。2月1日に発見された池谷・張彗星に刺激を受け、46cmドブソニアン望遠鏡での捜索を開始し、3夜目での発見であった。
出現
発見後はわし座で10等級で観測された。発見時は既に近日点を通過した後で、4月までは10等級を保ち、天の川に添ってこと座、はくちょう座へ移動した。5月にりゅう座へ移動し、減光していった。視直径が大きく、拡散していた[6]。
脚注・出典
- ^ New Amateur Comets - News from Sky & Telescope - SkyandTelescope.com
- ^ COMET SNYDER-MURAKAMI, C/2002 E2
- ^ 中野の執務が19時からのため不在で、国立天文台の担当者も不在であったため、中央局にも直接報告したという。
- ^ IAUC 7850: C/2002 E1; 2002 E2
- ^ IAUC 7852: C/2002 E2; C/2002 C1
- ^ C/2002 E2 (Snyder-Murakami) Mark Kidger`s Comet and Asteroid Observing Home Page