シバフタケ

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シバフタケ
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
亜門 : ハラタケ亜門 Agaricomycotina
: 真正担子菌綱 Homobasidiomycetes
: ハラタケ目 Agaricales
: ホウライタケ科 Marasmiaceae
: ホウライタケ属Marasmius
: シバフタケ M. oreades
学名
Marasmius oreades (Bolton) Fr.
和名
シバフタケ
英名
Scotch bonnet
fairy ring mushroom

シバフタケ(芝生茸、学名:Marasmius oreades)はホウライタケ科ホウライタケ属の菌類。日本ではワヒダタケとしても知られており、英語ではスコッチ・ボンネット(Scotch bonnet)やフェアリーリングマッシュルーム(fairy ring mushroom)と言う呼び名もある。後者の名前の「フェアリーリング」は菌輪を意味するが、ハラタケAgaricus campestris)や毒のあるオオシロカラカサタケChlorophyllum molybdites)なども菌輪になって育つため、他の菌輪を作るきのこと混乱されがちである。

分布、生息地

シバフタケは広範な分布を持っている。北アメリカヨーロッパでは夏や秋に見られ、暖かい気候であれば年中見られる。名の通り、草地を好んで生え、芝生や草地に見つかる。海岸地域の砂丘でさえ見つかることもある。

シバフタケ

特徴

シバフタケは環状、弧状、隊列状に群生して生える。菌輪のように草を育て緑にすることがある。

カサは1~5cmであり、釣鐘型で、初期には端の部分がカサの内側に巻き込まれている。時間がたつにつれ平べったい饅頭状になり、さらにカサの端の部分が持ち上がって平たくなっていく。また中央に僅かなふくらみを持っている場合もある。カサは乾いており、つるっとしている。

色は灰色に近い黄褐色から淡黄色であり稀に白、赤っぽい黄褐色である。乾燥すると色が変わっていく。周辺には薄い線が現れる。[1]

裸で、色彩のない柄を持ち、長さは7cm、直径は5mm程度である。

襞は柄から離生している場合とそうでない場合がある。[1]襞の間隔は疎らで、白から灰色に近い黄褐色である。胞子は白色である。胞子自身は7~10x 4-6 µmであり、滑らか、楕円形で、澱粉質でない。また、掃除細胞が傘の表皮にない。[1]

このきのこは有毒のカヤタケ属Clitocybe dealbataに似ており、間違われることもある。この種は突起物を欠いている。また、この種は白から灰色に近い色で、傘の裏の襞の間隔が非常に近いことから見分けることができる。

食用

日本では一般的に食されていないが、ヨーロッパでは多くのきのこ通がシバフタケを好んでいる。[1]一般的にきのこを食べる人はクッキーなどにきのこを使うことはしないが、このきのこは焼くと甘みが出るため、焼き菓子にも向いている。伝統的に繊維質でまずいとされる茎は切り落として、傘は糸で吊るし、乾燥させる。シバフタケの甘みはトレハロースに由来しており、この糖分のおかげでシバフタケの細胞は乾燥による死を避けることができる。[2]完全に乾燥した後に水にさらすと、きのこは細胞を甦らせるためにトレハロースを消化し、細胞の再生と新しい胞子の製造を始める。

参照

  1. ^ a b c d Marasmius oreades (MushroomExpert.com)
  2. ^ Marasmius oreades, the fairy ring mushroom, leprechaun. Tom Volk's Fungus of the Month for March 2003