コロニーオデッセイ

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コロニーオデッセイ
ジャンル アドベンチャーゲーム
対応機種 PC-6001mkII
PC-6601
開発元 日本電気ホームエレクトロニクス
発売元 日本電気ホームエレクトロニクス
メディア PC-6001mkII
5"1Dフロッピーディスク×6枚組
PC-6601
3.5"1Dフロッピーディスク×3枚組(冒険編)
3.5"1Dフロッピーディスク×3枚組(対決編)
発売日 1983年
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コロニーオデッセイ(Colony Odyssey)は、1983年日本電気ホームエレクトロニクスが制作したアドベンチャーゲーム小松左京監修。

概要

PC-6601添付用ソフトウェアとして、日本電気ホームエレクトロニクスにより制作されたアドベンチャーゲーム。ゲーム内容を小松左京が監修したということで、当時話題になった。ゲームは前半部分(冒険編)はPC-6601に標準添付されるが、後半部分(対決編)は別売である。これに加えてゲームセーブ用のブランクディスクが別途必要。

グラフィックは専門のデザイナーが手がけており、アラレちゃん風のロボットが出てきたり、靴を履いた宇宙船が出てきたりと、当時ブームであった『Dr.スランプ』を意識したデザインも散見される。総画面数は、冒険編と対決編の合計で150画面。不用意な行動でゲームオーバーになる箇所が多く、難易度は高めである。

ゲーム中は様々なコロニーを渡り歩くが、コロニーによって中世風になっていたりウェスタン風になっていたりと、タイムトラベル的要素も持ち合わせている。ただし時間軸自体の移動はない。また、各コロニーで有名なSF映画や歴史的人物や当時流行していた映画などからの引用が、いたるところで見られる。

対決編ディスクは、物語中盤で移動できるコロニーが増えた際に、追加されたコロニーのマップデータが入っているもので、明示的にストーリーが冒険編と対決編で区切られているわけではない。ただし最短ルートで解こうとすると、対決編ディスクに入った以降は冒険編ディスクは使用しなくなる。

後にPC-6001mkII用として、全編が収録された5インチディスク版も発売された。なおPC-6601用ディスクはPC-6601固有のI/Oポートでディスクアクセスする作りになっているため、PC-6001mkIIでは動作しない。またPC-6001mkIISRPC-6601SR(Mr.PC)では、PC-6001mkII用、PC-6601用のいずれも動作しない。

別売のディスクは、一般のショップに卸された例は殆ど無く、購入するにはNECアンテナショップであるBit-INN等に行く必要があった。ちなみに本体添付の冒険編ディスクもPC型番指定(保守部品扱い)で取り寄せはできた(9,800円)。

ストーリー

西暦3000年の世界、人類は使い古した地球を捨て、数千に及ぶスペースコロニーで快適な生活を送っていた。そのコロニーの一つ「エスペランス」で、主人公は自分の大切な人と楽しい休日を過ごすために待ち合わせをしていた。

主人公の大切な人のヘルパーロボット「パピパピ」が主人公を迎えに来るが、そこへ突然、謎のUFOが現れて主人公の大切な人を連れ去ってしまう。主人公は自分の大切な人を取り戻すべく、パピパピと共にそのUFOを追いかけていく。

ゲームシステム

当時としてはいささか時代遅れなコマンド入力型。「HOW?」の問いに対して動詞を入力して、続けて「WHAT?」の問いに対して名詞(目的語)を入力する。動詞で何も入力せずにリターンだけ押すと、状況を説明するメッセージが画面に表示される。

ゲーム序盤からロボットが同行し、時折気がついたことやヒントになるようなことを突然喋り出す。この際、画面にメッセージとしては表示されず、全てPC-6601の音声合成機能で喋って答えるので、場合によっては重要な内容が聞き取れない事がある。ちなみにPC-6601で追加された音声の音階機能は使われていない。

コロニー間を移動するには「ワープ装置」が必要で、ワープ装置は各コロニーの決まった場所にカモフラージュされて置いてあるので、それを見つける必要がある。ワープ装置を見つけたら、行き先のコロニー名を入力してボタンを引けば、そのコロニーに移動することができる。この際、ワープ装置自体は一緒に移動せずに、元の場所に再びカモフラージュされる。注意点として、行き先を入力せずにボタンを引くと、宇宙空間に飛ばされて窒息死してしまう。

グラフィック描画は、すべての画面を取り込み画像とするにはディスク容量が足りなかったせいか(1Dのディスクなので6枚でも容量は960KB程度である)、複雑な画像についてのみ、あらかじめ取り込んでおいたグラフィックで描画され、それ以外はラインとペイントで描画するという混在方式がとられている。表示には解像度が一番高いがカラーが4色しか使用できないモード4が使用され、画面によって使用するカラーセットを使い分けることで色彩を豊かにししている。

メッセージは漢字仮名交じりで表示されるが、ROMで持っている漢字が1024種類と少ない上、漢字と仮名で異なるフォントサイズを混在させているため、可読性は悪くなっている。

入力コマンドが全て英単語のため、子供でも遊びやすいように単語集がマニュアルに記載されていた。

登場人物

あなた(主人公)
ゲームの主人公。名前はゲーム開始時に入力する。性別の設定は無いが、敬称を「君」「さん」「ちゃん」「様」から選択する。
あなたの大切な人
主人公と同じく名前及び敬称をゲーム開始時に入力。物語冒頭でUFOにさらわれてしまう。
パピパピ
主人公の大切な人のヘルパーロボット。ゲーム中では主人公のお供となり狂言回し的な役割を担う。AIとしてPC-6601を内蔵。

主なコロニー

エスペランス(Esperance)
未来都市コロニー。ゲームのスタート地点。
アイケア(Icare)
中世コロニー。エスペランスを出発して最初に到達する。
アマゾネ(Amazone)
武器が手に入る。海岸がある。
アルテミス(Artemis)
南極コロニー。マップが広く迷いやすい。2匹の犬が登場する。
アポロ(Apollo)
西部コロニー。酒場に行くと女性がいる。
ペルセフォネ(Persephone)
対決編で登場するコロニーの一つ。居住民が登場する。

その他

物語の途中で、過去にPC-6001用のROMカートリッジソフトとして発売された「クイーンオセロ」「テニス」が登場し、実際に遊ぶ事でストーリーが進行するシーンがある。

主人公と主人公の大切な人は性別の制限がないため、同性同士として登録することもできる。

外部リンク