コミュニケーション学部

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コミュニケーション学部(コミュニケーションがくぶ)とはコミュニケーション学教育研究するために大学に設置される学部の名称。

アメリカ合衆国[編集]

日本語では、アメリカ合衆国の大学における教育組織としての「Department of Communication」[1]などの訳語として「コミュニケーション学部」が用いられることがある。

例えば、メリーランド大学[2]マサチューセッツ州ウェストフィールド州立大学英語版[3]ボストン大学[4]ペンシルベニア州立大学[5]ミネソタ州立大学マンケート校英語版[6]ノースウェスタン大学[7]ニューメキシコ大学[6]ユタ大学[8]ワシントン州立大学[9]カリフォルニア州立大学ノースリッジ校[6]スタンフォード大学[10]南カリフォルニア大学[11]など、数多くの大学にコミュニケーション学部がある。

日本[編集]

1995年に設置された東京経済大学のコミュニケーション学部は、日本で最初のコミュニケーション学部であったが[12]、同時に、「カタカナの名前の学部」としても日本初であった[13][14]。これに先立つ、1983年には、常磐大学人間科学部に日本で最初のコミュニケーション学科が設けられていたが、当時の文部省には、カタカナを学科名とすることを不適切と考える風潮があったとされる[12]。コミュニケーション学部は、いわゆる「カタカナ学部」の代表例として言及されることがある[15]

設置大学[編集]

類似学部設置大学[編集]

過去に設置していた大学[編集]

「コミュニケーション」を名称に含む学部の例[編集]

韓国[編集]

韓国では、西江大学校に、韓国語で「커뮤니케이션학부」、英語で「School of Communication」という教育組織があり[16]、日本語では「コミュニケーション学部」と訳される[17]

台湾[編集]

台湾では、国立政治大学に、中国語で「傳播學院」、英語で「College of Communication」という教育組織があり[18]、日本語では「コミュニケーション学部」と訳される[19]

その他[編集]

以上のほか、日本語で「コミュニケーション学部」と訳される教育組織をもつ大学の例としては、カナダサイモンフレーザー大学[20]タイチュラーロンコーン大学[21]トルコビルギ大学英語版[22]、などがある。

脚注[編集]

  1. ^ 英語では、コミュニケーションに関する行政組織を「Department of Communication」と呼ぶ場合があり、Wikipedia英語版の「en:Department of Communication」は「en:Ministry of Communications」への転送記事となっている。
  2. ^ David Sawyer 教授についての所属の言及を参照:Department of Communication: David B. Sawyer”. University of Maryland. 2015年5月27日閲覧。2014年度公開講演会情報:2014年度公開シンポジウム”. 立教大学. 2015年5月27日閲覧。 “David Sawyer 氏(米国・メリーランド大学コミュニケーション学部通訳翻訳大学院ディレクター。元国務省翻訳局ヨーロッパ言語長)”
  3. ^ マックス斉藤 (Max Saito) 准教授についての所属の言及を参照:Department of Communication: Faculty and Staff: Saito, Max”. Westfield State University. 2015年5月27日閲覧。Story No.12 ウエストフィールド大学 コミュニケーション学部 准教授 マックス斉藤さん”. 人びとの素顔. 2015年5月27日閲覧。
  4. ^ 第2次安倍改造内閣 閣僚等名簿 内閣官房副長官 世耕弘成 (せこう ひろしげ)”. 首相官邸. 2015年5月27日閲覧。 “平成4年 米国ボストン大学コミュニケーション学部大学院修了”
  5. ^ 竇雪|DOU, Xue”. 慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所. 2015年5月27日閲覧。 “最終学歴:ペンシルベニア州立大学コミュニケーション学部大学院博士課程。博士(マス・コミュニケーション学)”
  6. ^ a b c 野々村先生へ 関本幸”. ネバダ州立大学日本校. 2015年5月27日閲覧。
  7. ^ 植田一三「著者略歴」『発信型英語スーパーレベル英文法:理屈やニュアンスを知るときちんと使い分けができる』ベレ出版、341頁。"ノースウェスタン大学コミュニケーション学部修士課程修了 (MA)"。  Google books
  8. ^ 現代の事例から学ぶサイエンスコミュニケーション 科学技術と社会とのかかわり,その課題とジレンマ”. 慶應義塾大学出版会. 2015年5月27日閲覧。 “ジュリア・B・コベット(Julia B. Corbett)〔第15章〕米国ユタ大学コミュニケーション学部教授。”
  9. ^ 教員紹介:専任教員 北谷賢司”. K.I.T.虎ノ門大学院. 2015年5月27日閲覧。 “2005年から2011年まで、米ワシントン州立大学コミュニケーション学部レスター・スミス記念栄誉教授として教鞭をとり、…”
  10. ^ マハリッジ, デール、マイケル・ウィリアムソン 著、ラッセル秀子 訳『繁栄からこぼれ落ちたもうひとつのアメリカ:果てしない貧困と闘う「ふつう」の人たちの30年の記録』ダイヤモンド社、2013年9月28日。"一九九九年、スタンフォード大学コミュニケーション学部の私の授業に…"。  Google books
  11. ^ 内藤誼人「ひと言37 ネットで好かれるためには メールのやり取りで感情的にならない」『人の心はひと言で操れる』PHP研究所、2013年9月3日。"南カリフォルニア大学の助教授ドナルド・ライス博士は…"。  Google books
  12. ^ a b 寺本泰輔深田成子岩合一男「大学教育におけるコミュニケーション学の構築に関する試み (1)」『比治山大学現代文化学部紀要』第3号、比治山学園、1997年、139頁“わが国の大学で初めてコミュニケーション学科が誕 生したのは、常盤大学人間科学部(昭和58年1月)においてであった。当時は、大学の学科にカタカナなどは不適切であるという風潮が文部省を支配していた時代であり、設置の趣旨の理解を求めるためにはたいへんな苦労があったときく。その後、コミュニケーショ ン学科(専攻)は少しずつ数を増し … 平成6年には、日本で最初のコミュニケーション学部が東京経済大学に設置された。”  NAID 120005380064 - 引用で、「平成6年に…設置」とあるのは、設置が認可された、という意味と解される。学部の開設は平成7年度、1995年である。
  13. ^ ミューコミプラス:噂 超楽しみながら「コミュ障」克服できちゃうかもしれないスポットが、群馬にあるらしい!?”. ニッポン放送. 2015年5月27日閲覧。
  14. ^ ニッポン放送「ミューコミプラス」でコミュニケーション学部が紹介”. 東京経済大学 (2015年2月18日). 2015年5月27日閲覧。
  15. ^ 波多野敬 (2005年7月7日). “[今日のノート]自分探し学”. 読売新聞・大阪朝刊: p. 13. "戦前の大学の学部名は法、文、医、理など漢字一文字が大半だった。戦後になると教育や経営など漢字二文字が増え、1970年代以降は国際関係、人間科学など四文字が台頭した。昨今はコミュニケーションなど、カタカナ学部も珍しくなくなってきた。"  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  16. ^ 서강대학교 커뮤니케이션학부”. 서강대학교. 2015年5月27日閲覧。Information”. Sogang University. 2015年5月27日閲覧。
  17. ^ 社会学研究科・西江大学マスコミ学大学院が学術交流セミナー開催〜大学院レベルで初となる研究交流がスタート〜”. 立命館大学 (2014年11月5日). 2015年5月27日閲覧。
  18. ^ 國立政治大學傳播學院 College of Communication, National Chengchi University
  19. ^ 台湾留学ナビ 政治大学”. シーアイピー. 2015年5月27日閲覧。
  20. ^ Markus Leach”. JCI Consulting K.K.. 2015年5月27日閲覧。
  21. ^ GLOCOL BANGKOK Seminar Series 2010 情報と人間の安全保障 - タイ、そして世界の「見えにくい現実」”. 大阪大学グローバルコラボレーションセンター. 2015年5月27日閲覧。 “Alongkorn Parivudhiphongs (チュラロンコーン大学コミュニケーション学部講師)”
  22. ^ ワークショップ「Social Media For Good」開催<3/7(土)>” (PDF). 明治学院大学. 2015年5月27日閲覧。