ガマズミ
ガマズミ | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ガマズミの花と葉
| |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Viburnum dilatatum Thunb.[1] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
ガマズミ(莢蒾) |
ガマズミ(莢蒾[2]、学名:Viburnum dilatatum)は、山地や丘陵地の明るい林や草原に生えるレンプクソウ科ガマズミ属に属する落葉低木。別名はアラゲガマズミ[2]、カリンカ[3]。
特徴
日本の北海道南西部、本州、四国、九州に分布する[2]。山野に自生する[2]。
落葉広葉樹の低木で、樹高2 - 3メートル (m) 程度となる。樹皮は灰褐色[2]。若い枝は星状毛や腺点があって、灰緑色で楕円形の皮目も多い[2]。古くなると、灰黒色になる。
葉は対生し、細かい鋸歯がある卵型から広卵形で10センチメートル (cm) 程度。表面には羽状の葉脈がわずかに出っ張り、凹凸がある。表面は脈上にだけ毛があるが、裏面では腺点や星状毛などが多い。
花期は5 - 6月[2]。白い小さい花の花序を作る。晩夏から秋にかけて3 - 5ミリメートル (mm) 程度の果実をつけ、食用となる。果実は赤く熟し、最終的に晩秋の頃に表面に白っぽい粉をふき、この時期がもっとも美味になる。冬になっても、赤い果実が残っていることがある[2]。
冬芽は卵形で粗い毛が多く生え、紅色を帯びた芽鱗は4枚ついて、外側の2枚は小さい[2]。枝の先端につく頂芽は、よく頂生芽を伴ってつけている[2]。枝の側芽は対生し、頂芽よりも小さい[2]。冬芽わきに残る葉痕は、倒松形やV字形で、維管束痕は3個つく[2]。
分類
近縁のコバノガマズミ(Viburnum erosum Thunb.)やミヤマガマズミ(Viburnum wrightii Miq)の葉は比較的細長く先端が尖った楕円形であるので、区別できる(しかし葉は変異が多いため、区別しにくいこともある)。
利用
- 焼酎に漬けて果実酒にも利用する。
- 大根を漬ける時に用いる。「赤漬け」は長野県戸隠村でよく行うもので紅色に染まり、実の酸味がついた大根漬けとなる。
- ジュースやキャンディ、酢、ポン酢、果実酒、ジャム、ゼリー、健康ドリンクなどに商品化されている。
- 枝は柔らかく折れにくいので、昔から何かを束ねる時に使った。枝をよって縄をつくり、刈柴などを手際よくまとめた
- 丈夫でよく分枝するため、庭木として観賞用に植樹されることもある。
脚注
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Viburnum dilatatum Thunb.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年8月14日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 26.
- ^ SPUTNIK(2019年8月21日)
参考文献
- 北村四郎・村田源、『原色日本植物図鑑・木本編I』、1971年、保育社
- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、26頁。ISBN 978-4-416-61438-9。