カナムグラ

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カナムグラ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: イラクサ目 Urticales
: アサ科 Cannabaceae
: カラハナソウ属 Humulus
: カナムグラ H. japonicus
学名
Humulus japonicus
Siebold & Zucc
シノニム

Humulus scandens (Lour.) Merr.

和名
カナムグラ
英名
Japanese hop

カナムグラ(鉄葎、Humulus japonicus)はアサ科(以前はクワ科に分類されていた)の一年草。 和名「鉄葎」は強靭な蔓をに例え、「葎」は草が繁茂して絡み合った様を表すように、繁茂した本種の叢は強靭に絡み合っており、切ったり引き剥がしたりすることは困難である。 後述ヤエムグラヤブムグラ等、本種と似た小種名の植物は多いが、本種とは系統的に離れたアカネ科に属するものが多い。

形態

雌雄異株つる植物は5cm~12cm程度の深く切れ込んだ掌状で対生し、鋸歯が多く表面はざらつく。から葉柄にかけて鋭いとげがあり、木や電柱、ガードレール等に絡みつく。花期は8月~10月で、雄株は分枝した花茎を伸ばし、多数の淡緑色の花をつける。また雌花は、株の葉腋から花茎を伸ばし、先端に苞に包まれた穂状の花をつける。雌花は受粉後に成熟して果実となると赤紫色を帯びる。

分布

中国大陸、台湾および日本全国の道端や荒地等の日当たりの良い場所に生育する。また好窒素的な傾向が強く、畜産農業、家庭排水などの影響により富栄養化した土壌などでより繁殖し、優先種となる傾向が強い[1]

アメリカでは園芸用に栽培されたものが野生化し、外来雑草となっている[2]

類似種

  • セイヨウカラハナソウ(西洋唐花草、Humulus lupulus )→ホップを参照。
  • カラハナソウ(唐花草、Humulus lupulus var. cordifolius

その他

万葉集における「やえむぐら(八重葎)」は現代とは異なり、アカネ科ヤエムグラではなく本種を指していると思われる。

キタテハ食草である。

本種の花粉は、ブタクサヨモギなどと並び、秋の花粉症の原因となる[3]

脚注

  1. ^ 土壌の富栄養化が農村地域の河川周辺雑草群落の動態に及ぼす影響 雑草研究(日本雑草学会会報) Vol.42, No.2(19970830) pp. 107-114
  2. ^ Invasive.org(pdf)
  3. ^ アレルギー性疾患の研究(第6報) : クワモドキ及びカナムグラについて第14回日本アレルギー学会総会・ Vol.14, No.4(19650430) pp. 261-262

関連項目

参考文献

外部リンク