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ウクライナ保安庁

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 ウクライナ行政機関
ウクライナ保安庁
Служба безпеки України
Security Service of Ukraine
SBUの旗
SBUの旗
役職
長官 ヴァシーリー・マリューク
組織
上部組織 ウクライナ大統領
概要
所在地 キエフウォロディミル通りウクライナ語版英語版33番地(本部庁舎)
定員
  • 2万9000名(2017年11月時点)[1]
  • 3万名(2014年2月時点)[2]
設置 1991年9月20日
前身 ウクライナ・ソビエト社会主義共和国国家保安委員会ウクライナ語版ロシア語版英語版[注 1]
ウェブサイト
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ウクライナ保安庁(ウクライナほあんちょう、ウクライナ語: Слу́жба безпе́ки Украї́ни スルージュバ・ベスペークィ・ウクライーヌィ)は、ウクライナの国家保安機関。ウクライナにおけるソ連時代のソ連国家保安委員会 (KGB) の後継機関である。略称はエズベウーまたはズブー (СБУSBU)。

沿革

1991年9月20日最高会議により、ウクライナ国家保安庁の創設に関する決定が採択された。同命令により、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国国家保安委員会ロシア語版ウクライナ語版が廃止された。1992年3月25日、最高会議はウクライナ保安庁に関する法律を採択した。

KGBが機能別に分割されたロシア連邦と異なり、ウクライナ保安庁は旧KGBの機能をほぼ継承した。強大な力を有するため、しばしばウクライナの政治に介入、あるいは逆に政治家に利用される事態となっている。権限縮小の議論は以前からなされており、対外諜報機能は2004年ウクライナ対外情報庁に移管され、通信傍受・通信保全を担当している特殊遠距離通信・情報保護部は2006年2月23日付でウクライナ国家特殊通信庁ウクライナ語版ロシア語版英語版に権限を移管した。

2005年9月時点で、SBU庁舎はウクライナの首都キエフの中心マイダーン・ネザレージュノスチ(独立広場)から徒歩10分程の市街に置かれており、近寄りがたいKGBのイメージに反し、面しているウォロディミル通りウクライナ語版英語版(ヴラジーミル通り)に人通りが少なくないこともあり、誰でも簡単に近付くことができる。この通りにはキエフ・ルーシ時代の建造物の復元である黄金の門聖ソフィア大聖堂の他にホテルもあり、外国人も含めて毎日多くの人が行き交っている。

2022年、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、Youtubeの公式アカウント(参照: #外部リンク節)上でロシア兵の通信を傍受した音声とする動画などをアップロードしている[3]

批判

2022年3月16日、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ウクライナ保安庁およびウクライナ内務省Telegramを始めとする多数のSNS上で、ロシア兵捕虜の個人情報が特定できるような画像、動画を公開していることは、ジュネーブ諸協定に違反しており、中止すべきだとの見解を示した[4]。一方、ロシア兵士の母の委員会連合の事務局長ヴァレンティーナ・メルニコワロシア語版は兵士の家族を援助する実務者の立場から「これらは家族が愛する人を見つけるために非常に役立っています。これは、兵士が生きているかどうか、捕虜になっているかどうかを調べ、ロシア当局に知らせる唯一の方法です。この過程で、ロシア政府も巻き込み、捕虜の解放に取り組み始めた」「あの動画や写真こそが、唯一の情報源なのです。ロシアとウクライナが当然のように合法的かつ公的にリストを交換しているのであれば、必要ないだろう。しかし、こちら側(ロシア)がリストを公開していない以上、倫理違反なんて知ったことではありません」と述べている[5]

組織

これ以外に、各州、直轄市、自治共和国に支局を有する。

歴代長官

  1. イェヴヘーン・マルチュークウクライナ上級大将(1991年11月 - 1994年7月)
  2. ヴァレーリー・マリコフウクライナ語版ロシア語版英語版大将(1994年7月 - 1995年7月)
  3. ヴォロドィームィル・ラドチェンコウクライナ上級大将(1995年7月 - 1998年4月)
  4. レオニード・デルカッチウクライナ上級大将(1998年4月 - 2001年2月)
  5. ヴォロドィームィル・ラドチェンコウクライナ上級大将(2001年7月 - 2003年9月)
  6. イーホル・スメシュコウクライナ語版ロシア語版英語版中将(2003年9月 - 2005年2月)
  7. オレクサンドル・トゥルチノフ(2005年2月 - 2005年9月)
  8. イーホル・ドリジュチャーヌィイウクライナ上級大将(2005年9月 - 2006年12月)

脚注

注釈

出典

  1. ^ У СБУ розповіли, скільки співробітників працює в спецслужбі”. glavcom.ua. 2018年4月30日閲覧。
  2. ^ Dr. Taras Kuzio (2014年2月4日). "THE SECURITY SERVICE OF UKRAINE (SBU)" (PDF). Research Institute for European and American Studies (RIEAS). 2014年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ (PDF)。2014年2月10日閲覧
  3. ^ ロシア兵の“本音” 通話傍受か「2週間のはずが」…州庁舎にミサイル 女の子も死亡”. テレ朝news (2022年3月30日). 2022年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月10日閲覧。
  4. ^ Ukraine: Respect the Rights of Prisoners of War” (英語). Human Rights Watch (2022年3月16日). 2022年4月10日閲覧。
  5. ^ «Можно сравнить с первой чеченской» Как российские власти относятся к солдатам, которых отправили на войну, — и кто помогает их близким. Рассказывает Валентина Мельникова из Комитета солдатских матерей” (ロシア語). Meduza (2022年5月25日). 2022年11月12日閲覧。

関連事項

外部リンク