イタチハギ
イタチハギ | |||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Amorpha fruitcosa L. | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
Amorpha angustifolia | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
イタチハギ | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
desert false indigo, bastard indigobush |
イタチハギ(学名:Amorpha fruitcosa)は、北アメリカ原産のマメ科イタチハギ属の落葉低木の一種。別名「クロバナエンジュ」。
分布
北アメリカ(カナダの一部とアメリカ)、メキシコを原産地とする[1]。
特徴
樹木の高さは1-5mほど[1]。葉は互生で、奇数羽状複葉[1]。花期は4-7月で、長さ6-20cmの黒紫色をした穂状花序をつける[1]。両性花で、果実の大きさは約1cm[3]。
道端、河川敷、荒地、海岸など幅広い環境に生育する[3]。高温や乾燥に強い[3]。
イタチハギは根の土壌固定力が強く、マメ科特有の窒素固定による肥料木としても有用であるため、法面緑化に利用されている[2]。
外来種問題
日本には韓国から1912年に初めて導入され、1940年代以降、緑化や観賞用として本格的に輸入された[1]。日本各地に野生化している[1]。
霧ヶ峰や白山といった自然度の高い地域で、在来種の植物の生育を阻害したり、景観を損なうなどの問題を起こしている[1]。
また、日本に導入されたイタチハギの種子から同じく北アメリカ原産のイタチハギマメゾウムシが確認されており、本種の導入がさらに別の生態学的に関連のある外来種の定着を促進してしまっている[4]。
日本生態学会では、これらの侵略性を考慮してイタチハギを日本の侵略的外来種ワースト100に選定している[1]。しかしその一方で、本種は緑化樹木として経済的に有用であるがゆえに、外来生物法では「別途総合的な取り組みを進める外来生物」とされて要注意外来生物の指定にとどまっており、特定外来生物のような導入や栽培への規制が行われていない[2]。
参考文献
- ^ a b c d e f g h 多紀保彦(監修) 財団法人自然環境研究センター(編著)『決定版 日本の外来生物』平凡社、2008年4月21日。ISBN 978-4-582-54241-7。p.275
- ^ a b c 髙木康平・日置佳之「鳥取県千代川水系上流域において法面緑化に使用されたイタチハギ (Amorpha fruticosa L.) の逸出の実態と侵略性の評価」(PDF)『日本緑化工学会誌』第33巻第4号、2008年、571-579頁、2011年11月26日閲覧。
- ^ a b c イタチハギ 国立環境研究所 侵入生物DB
- ^ 津田みどり・島克弥・Johnson Clarence D.・森本桂「導入マメ科植物イタチハギの種子を食するイタチハギマメゾウムシ(Acanthoscelides pallidipennis)の日本での定着とその寄生蜂Eupelmusの新記録」『日本応用動物昆虫学会誌』第45巻第3号、2001年、156頁。