コンテンツにスキップ

イシアル・ボジャイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イシアル・ボジャイン
Icíar Bollaín
イシアル・ボジャイン Icíar Bollaín
本名 イシアル・ボジャイン・ペレス=ミンゲス
Icíar Bollaín Pérez-Mínguez
生年月日 (1967-06-12) 1967年6月12日(57歳)
出生地 スペインの旗 スペインマドリード
国籍 スペインの旗 スペイン
職業 映画監督脚本家女優
ジャンル 映画
活動期間 1995年-
配偶者 ポール・ラヴァーティ(1995-)
受賞
ベルリン国際映画祭
パノラマ観客賞
2011年Und dann der Regen
その他の賞
テンプレートを表示

イシアル・ボジャインIcíar Bollaín, 1967年6月12日 - )は、スペインマドリード出身の映画監督脚本家女優。フルネームはイシアル・ボジャイン・ペレス=ミンゲスIcíar Bollaín Pérez-Mínguez)。イシアル・ボリャインと表記されることもある。

経歴

[編集]

父親は航空技術者、母親は音楽教師である。イシアル・ボジャインは1967年にマドリードで生まれ、双子の姉妹としてマリーナ・ボジャインがいる。自由な気風の家庭で育ったため、イシアルとマリーナは幼少期から芸術に興味を示し、イシアルは映画製作の道に進み、マリーナはオペラ歌手になるために学んだ。14歳の時、イシアルはビクトル・エリセ監督の『エル・スール』(1983年)に出演し、謎めいた父親の秘密を探る少女エストレーリャの役を演じた。18歳以降、イシアルとマリーナはおじのフアン・セバスティアン・ボジャインが監督した2本の映画、『Las dos orillas』(1987年)と『Dime una mentira』(1992年)に出演した。イシアルはまた、フェリペ・ベガ英語版監督、マヌエル・グティエレス・アラゴン英語版監督、ホセ・ルイス・ボラウ英語版監督などの作品にも出演した。イギリス人のケン・ローチ監督がイシアルの赤髪に興味を抱き、スペイン内戦を描いた『大地と自由』(1995年)に配役された。ローチ監督との仕事について、後にイシアルは『Ken Loach: un observador solitario』という書籍を執筆した[1]

23歳の時に「La iguana」(イグアナ)という映画制作会社を設立し、『Baja Corazón』(1992年)、『Los Amigos del muerto』(1995年)という2本の短編映画を制作した。フェルナンド・コロモスペイン語版の支援を受け、1995年には初監督作品として『Hola ¿estas sola? 』(やあ、君はひとりなの?)を制作した。地上の楽園を見つけることを夢見て、海に向かって長い旅に出かける2人の少女についての物語である。2作目の長編『Flores de otro mundo』(別の世界からの花、1999年)では、フリオ・リャマサーレスと共同で脚本を執筆した。愛を求めて農村部に旅行する3人の女性の物語である。3作目の『Te Doy Mis Ojos』(私の目を取って、2003年)はゴヤ賞で作品賞、監督賞、主演女優賞(ライア・マルル)、主演男優賞(ルイス・トサール)、助演女優賞(カンデラ・ペーニャ英語版)、脚本賞、音響賞の7部門を受賞し、その他にも新人女優賞(エリサベット・ヘラベルト英語版)、編集賞にノミネートされていた。ボジャイン自身は作品賞・監督賞・脚本賞(脚本賞はアリシア・ルナと共同)を受賞した。ルイス・トサールライア・マルル英語版が出演したこの映画は、妻に対する夫の虐待と、生活パターンの変化に苦しむ彼らを描いた映画である。2007年の『Mataharis』はゴヤ賞で作曲賞を受賞した。

2010年の『雨さえも』では、脚本家の夫ポール・ラヴァーティとタッグを組んだ。ゴヤ賞で作品賞、監督賞、主演男優賞(ルイス・トサール)、助演男優賞(カラ・エレハルデ)、新人男優賞(フアン・カルロス・アドゥビリ)、脚本賞、作曲賞、編集賞、プロダクション賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイル賞、音響賞、特殊効果賞の13部門にノミネートされ、助演男優賞と作曲賞とプロダクション賞の3部門で受賞した。第83回アカデミー外国語映画賞スペイン代表作品に選ばれ[2]、9本のノミネート作品に選ばれた[3]。この映画には劇中劇が登場し、スペインの映画制作会社がクリストファー・コロンブスの新大陸への到着を主題とした作品を取る過程で、ロケ地の農民の搾取に関する問題に巻き込まれる。ガエル・ガルシア・ベルナルが監督役を務め、ルイス・トサールがプロデューサー役を務めた。この劇中劇の中ではフアン・カルロス・アドゥビリが先住民アイマラ族の指導者役を務め、水資源の民営化のための抵抗組織の指揮を執る。アドゥビリはゴヤ賞の新人男優賞にノミネートされた。

2011年の『Katmandú, un espejo en el cielo』ではゴヤ賞の主演女優賞(ベロニカ・エチェギ)と脚色賞にノミネートされ、主演女優賞を受賞した。

2016年の『オリーブの樹は呼んでいる』ではラヴァーティと3度目のタッグを組んだ。ゴヤ賞で3部門にノミネートされたが、いずれも受賞を逃した。第89回アカデミー賞外国語映画賞にスペイン代表作品として出品されたが、ノミネートはされなかった[4][5]。この作品は2017年7月1日にシネスイッチ銀座名古屋シネマテークなどで公開された。

監督作品

[編集]

長編映画

[編集]

短編映画

[編集]
  • Baja, corazón (1993)
  • Los amigos del muerto (1994)
  • Amores que matan (2000)
  • Viajes con mi abuela (2002)

ミュージックビデオ

[編集]

出演作品

[編集]

長編映画

[編集]

短編映画

[編集]

受賞

[編集]
ゴヤ賞
部門 作品 結果
2010 雨さえも 監督賞 ノミネート
脚本賞 ノミネート
2007 Mataharis 監督賞 ノミネート
脚本賞 ノミネート
2003 Te doy mis ojos 監督賞 受賞
脚本賞 受賞
2000 Leo 主演女優賞 ノミネート
1999 Flores de otro mundo 脚本賞 ノミネート
1995 Hola, ¿estás sola? 脚色賞 ノミネート

著書

[編集]
  • Bollaín, Icíar (1996). Ken Loach, un observador solitario. El País-Aguilar. ISBN 8403597347 

脚注

[編集]
  1. ^ Ken Loach : un observador solitario”. Worldcat.org. May 22, 2014閲覧。
  2. ^ Bollaín's Even the Rain joins Oscar race”. cineuropa. 2010年10月9日閲覧。
  3. ^ 9 Foreign Language Films Continue to Oscar Race”. oscars.org. 2011年1月19日閲覧。
  4. ^ El olivo, Julieta y La novia, camino a Hollywood”. ラ・アカデミア (19 August 2016). 19 August 2016閲覧。
  5. ^ De Pablos, Emiliano (20 August 2016). “Bollain’s ‘Olive Tree,’ Almodovar’s ‘Julieta,’ Ortiz’s ‘Bride’ On Spain’s Oscar Short-List”. バラエティ. 20 August 2016閲覧。

外部リンク

[編集]