アナザー・パーフェクト・デイ

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アナザー・パーフェクト・デイ
モーターヘッドスタジオ・アルバム
リリース
録音 1983年2月 - 3月 ロンドン オリンピック・スタジオ、イール・パイ・スタジオ[1]
ジャンル ヘヴィメタル
時間
レーベル ブロンズ・レコード
プロデュース トニー・プラット
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 18位(スウェーデン[2]
  • 20位(イギリス[3]
  • 31位(ドイツ[4]
  • 39位(オランダ[5]
  • 153位(アメリカ[6]
  • モーターヘッド アルバム 年表
    切り裂きライヴ
    (1983年)
    アナザー・パーフェクト・デイ
    (1983年)
    ノー・リモース
    (1984年)
    ミュージックビデオ
    「Shine」 - YouTube
    「One Track Mind」 - YouTube
    「I Got Mine」 - YouTube
    テンプレートを表示

    アナザー・パーフェクト・デイ [注釈 1]』(Another Perfect Day)は、イギリスバンドモーターヘッド1983年に発表した6作目のスタジオ・アルバムブライアン・ロバートソン(元シン・リジィ、ワイルド・ホーシズ)在籍時としては唯一のスタジオ・アルバムに当たる。

    背景[編集]

    1982年、ギタリストのエディ・クラークがツアー中にバンドを脱退したのに伴い、バンドは急遽ロバートソンに代役を依頼して、ツアー終了時には正式メンバーとして迎え入れた[7]。ただし、ロバートソンと他のメンバーとの音楽性の相違は間もなく顕在化し、ロバートソンは2011年のインタビューにおいて「俺は当時『俺がバンドに入るなら方向性を変えるべきだ、モーターヘッドの古い曲は攻撃的すぎて俺には弾けない』と言ったよ」「俺はもう少しメロディックな音楽をやりたくて、他のメンバーもそれで良いって言ったから曲作りに入った」と語っている[7]。一方、バンドの中心人物レミー・キルミスターは後年、ロバートソンがオーバー・ダビングを多用したことについて「ブライアンはギター・トラックの録音に17時間もかけやがった。他のアルバムと比べたら、とんでもなく長すぎる。そして、アルバムが発売されたら皆に嫌われたよ」と語っている[7]

    ロバートソンは最終的に、1983年のうちにバンドを脱退し[7]、バンドはフィル・キャンベルとワーゼルを後任に起用して、ツイン・ギター編成となった[8]

    反響[編集]

    全英アルバムチャートでは4週トップ100入りし、最高20位を記録した[3]全英シングルチャートでは、本作からのシングル「アイ・ゴット・マイン」が46位、続く「シャイン」が59位に達した[9]

    アメリカでは、前スタジオ・アルバム『アイアン・フィスト』(1982年)に続く2度目のBillboard 200入りを果たし、最高153位を記録した[6]

    評価・影響[編集]

    Eduardo Rivadaviaはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「『アナザー・パーフェクト・デイ』は今日に至るまで、モーターヘッドの全作の中でも特に独自性が高い(とはいえ不当評価されている)アルバムの一つであり続けている」と評している[10]。ブラジルのヘヴィメタル・バンド、セパルトゥラ(ポルトガル語で「墓」を意味する)は、本作収録曲「ダンシング・オン・ユア・グレイヴ」に触発されてバンド名を決めた[11]

    収録曲[編集]

    特記なき楽曲はレミー・キルミスターブライアン・ロバートソン、フィル・テイラーの共作。

    1. バック・アット・ザ・ファニー・ファーム - "Back at the Funny Farm" - 4:14
    2. シャイン - "Shine" - 3:11
    3. ダンシング・オン・ユア・グレイヴ - "Dancing on Your Grave" - 4:29
    4. ロック・イット - "Rock It" - 3:55
    5. ワン・トラック・マインド - "One Track Mind" - 5:55
    6. アナザー・パーフェクト・デイ - "Another Perfect Day" - 5:29
    7. マーチング・オフ・トゥ・ウォー - "Marching Off to War" - 4:11
    8. アイ・ゴット・マイン - "I Got Mine" - 5:24
    9. テイルズ・オブ・グローリー - "Tales of Glory" - 2:56
    10. ダイ・ユー・バスタード - "Die You Bastard!" - 4:25

    1996年リマスターCDボーナス・トラック[編集]

    2009年発売の日本盤CD (UICY-60140)も同内容となっている。

    1. ターン・ユー・ラウンド・アゲイン - "Turn You Round Again" - 3:57
    2. フーチー・クーチー・マン - "(I'm Your) Hoochie Coochie Man" (Willie Dixon) - 6:31
    3. (ドント・ニード)レリジョン - "(Don't Need) Religion" (Lemmy Kilmister, Eddie Clarke, Phil Taylor) - 2:54

    参加ミュージシャン[編集]

    脚注[編集]

    注釈[編集]

    1. ^ 1993年再発CD (VICP-2078)、2007年再発CD (BVCM-37965)、2009年再発CD (UICY-60140)の帯に準拠。日本初回盤LP (VIL-6055)および1989年再発CD (18DN-57)の邦題は『悪魔の化身』だった。

    出典[編集]

    1. ^ Motörhead - Another Perfect Day (Vinyl) - Discogs
    2. ^ swedishcharts.com - Motörhead - Another Perfect Day
    3. ^ a b Motörhead | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
    4. ^ Offizielle Deutsche Charts
    5. ^ Motörhead - Another Perfect Day - dutchcharts.nl
    6. ^ a b Motörhead - Awards”. AllMusic. 2016年6月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月20日閲覧。
    7. ^ a b c d Swanson, Dave (2018年6月4日). “When Motorhead Shook Things Up With 'Another Perfect Day'”. Ultimate Classic Rock. Townsquare Media. 2021年3月20日閲覧。
    8. ^ Erlewine, Stephen Thomas. “Motörhead - Biography & History”. AllMusic. 2021年3月20日閲覧。
    9. ^ Motörhead | full Official Chart History | Official Charts Company
    10. ^ Rivadavia, Eduardo. “Another Perfect Day - Motörhead”. AllMusic. 2021年3月20日閲覧。
    11. ^ Munro, Scott (2018年1月23日). “Igor Cavalera: There would have been no Sepultura without Motorhead”. loudersound.com. Future plc. 2021年3月20日閲覧。

    外部リンク[編集]