アセトアミド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。223.132.245.235 (会話) による 2016年4月5日 (火) 03:40個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (カテゴリ修正)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

アセトアミド
識別情報
CAS登録番号 60-35-5 チェック
PubChem 178
ChemSpider 173 チェック
UNII 8XOE1JSO29 チェック
KEGG C06244 チェック
ChEMBL CHEMBL16081 チェック
特性
化学式 C2H5NO
モル質量 59.07 g mol−1
密度 1.159 g/cm3, 固体, 20 °C
融点

79-81 °C, 352-354 K, 174-178 °F

沸点

222 °C, 495 K, 432 °F

への溶解度 2 g/mL[1]
危険性
安全データシート(外部リンク) External MSDS
EU分類 Harmful (Xn)
発癌性物質
EU Index 616-022-00-4
NFPA 704
1
3
1
Rフレーズ R40
Sフレーズ S2 S36/37
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アセトアミド (acetamide) とは有機化合物の一種で、酢酸アンモニアが脱水縮合した構造を持つアミドである。分子式は C2H5NO、示性式は CH3CONH2 である。

性質

無色で六角形結晶分子量 59.07、融点 82 °C沸点 221 °C。20 °Cに 97 %、エタノールには 31 % 溶ける。クロロホルムグリセリンにも溶けるが、エーテルにはほとんど溶けない。

酢酸アンモニウム無水酢酸を加熱すると得られる。また、酢酸アンモニウム熱分解でも合成できる[2]

加水分解すると酢酸とアンモニアに、脱水するとアセトニトリルになる。 LiAlH4などによって還元され、エチルアミンとなる。

溶融アセトアミドは、さまざまな有機、無機化合物を良く溶かす溶媒として用いられる。

安全性

実験動物において、癌を引き起こすことが確認されている。国際がん研究機関では、人に対する発ガンリスクの分類をグループ2Bとしている。

アセトアミド基

化学式が CH3C(=O)NH- と表される1価の置換基を、アセトアミド基 (acetoamido group) と呼ぶ。弱い電子供与性基として扱われる。

出典

  1. ^ The Merck Index, 11th Edition, 36
  2. ^ Coleman, G. H.; Alvarado, A. M. Org. Synth., Coll. Vol. 1, p. 3 (1941); Vol. 3, p.3 (1923). オンライン版