きたかみ (フェリー・2代)

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きたかみ
仙台港にて(2019年1月)
基本情報
船種 フェリー
船籍 日本の旗 日本
所有者 太平洋フェリー
運用者 太平洋フェリー
建造所 三菱重工業下関造船所
母港 名古屋
船級 JG
信号符字 JD4556
IMO番号 9831749
MMSI番号 431012359
経歴
発注 2017年5月[1]
起工 2017年9月7日[2]
進水 2018年7月4日[2]
竣工 2019年1月20日[3]
就航 2019年1月25日[3]
現況 就航中
要目
トン数 7,044重量トン[3]
総トン数 13,694トン[4]
載貨重量 6,294トン[4]
全長 192.5m[2]
全幅 27m[2]
デッキ数 8デッキ
機関方式 ディーゼル
主機関 JFE12PC2-6B[4]
最大出力 8,000kw(10,880PS)×2[4]
最大速力 24.55ノット[4]
旅客定員 535名[2]
車両搭載数 トラック166台、普通乗用車146台[2]
その他 フィンスタビライザー装備
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きたかみは、太平洋フェリーが運航しているフェリー。本項目では、2019年就航の2代目を取り扱う。

概要[編集]

苫小牧港にて(2021年)

初代「きたかみ」の代船として三菱重工業下関造船所にて建造され、2019年1月20日に太平洋フェリーに引き渡されたのち1月25日に苫小牧発仙台行き便より就航[2][5]。主に仙台-苫小牧間の折り返し便に配船される[4]

設計[編集]

デザインコンセプトは夜間航海となるダイヤの特性を踏まえ「SPACE TRAVEL」をテーマとし、星空の旅をイメージして光を駆使した演出を施した設計となっている。客室は大部屋を廃して個室以外はすべてカプセル式寝台としプライバシー確保と機能性の向上を図った[2]

他船のドック期間を除き苫小牧-仙台航路専用での運航を行いバウランプを廃するなど船型を見直し推進性能の向上を図り[3]、リピーターが多い生活路線的な航路特性を踏まえて豪華さではなく乗客の使いやすさを優先する設計としてスイートルームやシアターラウンジを設定していない[4]

パナソニックのスポットライト型プロジェクターを11台用いて中央階段・プロムナード・キッズキャビンにてプロジェクション映像による空間演出も施される[6]

太平洋フェリーでは初の一人個室を設け、1等室は立体的に空間を生かした形とし、「C寝台」はB寝台と比べ設備を簡素化して旧きたかみの大部屋型2等室と同等の価格設定としている[4]

環境面においては新型の船型を採用し従来より10%の省エネルギーを実現した[2]。交通エコロジー・モビリティ財団「海上交通バリアフリー施設助成」の200隻目の対象船ともなっている[4]

船内[編集]

  • 7デッキ[7][4]
    • 特等室(洋室6室・和室2室)
    • 1等室
      • フォース:6室
      • クロスツイン:7室
    • B寝台(8区画)
    • レストラン「グリーンプラネット」 - 「地球」のイメージで木漏れ日をイメージした照明などを配する。
    • ロビー - 「三日月」をモチーフとしたテーブル「クレセントテーブル」等を配する。不定期にピアノ演奏を実施[3]
    • 展望通路「プロムナード」 - 夜間に窓際壁面にプロジェクションマッピング投影が行われる[3]
  • 6デッキ[7][4]
    • 特等室(和室2室)
    • 1等室
      • クロスツイン:9室
      • ウィズペット:2室
      • バリアフリー:1室
    • エコノミーシングル(8区画)
    • B寝台(1区画)
    • C寝台(2区画)
    • 展望大浴場 - 「天空」のイメージで白を基調とした内装や雲をモチーフとした浴槽を配する。
    • シャワー室
    • エントランスホール - 「宇宙船」のイメージで白を基調とした内装を配し、中央階段では宇宙をテーマとしたプロジェクションマッピング投影を行う。
    • キッズエリア
      • キッズキャビン - 中央階段下に設置、ゲーム映像をプロジェクションマッピングで投影[3]
    • テレビコーナー
    • ショップコーナー
    • インフォメーション
    • ドライバー室(6区画)
    • ドライバー浴室
    • ドライバーサロン
    • ペットテラス
    • ペットルーム
  • デッキ5-4:トラック甲板[4]
    • デッキ5:12mトラック80台・8.5mトラック2台
    • デッキ4:12mトラック84台
  • デッキ3-1:乗用車甲板[4]
    • デッキ3:52台
    • デッキ2:46台
    • デッキ1:48台

船室[編集]

船室タイプの一覧
等級 室名 部屋数 定員 設備
特等 特等客室(洋室) 2-3名×6室 18名 ツインベッド、浴室、シャワートイレ、冷蔵庫、テレビ、インターホン、ナイトウェア、
サンダル、タオル、ドライヤー、洗面道具、ティーセット、カードキー
特等客室(和室) 3-4名×4室 16名 布団、浴室、シャワートイレ、冷蔵庫、テレビ、インターホン、ナイトウェア、
サンダル、タオル、ドライヤー、洗面道具、ティーセット、カードキー
1等 フォース 3-4名×12室 48名 2段ベッド2基、シャワートイレ、シャワー、冷蔵庫、テレビ、ナイトウェア、
サンダル、タオル、ドライヤー、洗面用具、ティーセット、カードキー
クロスツイン 1-2名×33室 66名 L字型2段ベッド、シャワートイレ、シャワー、冷蔵庫、テレビ、ナイトウェア、
サンダル、タオル、ドライヤー、洗面用具、ティーセット、カードキー
ウイズペット 2-3名×2室 6名 2段ベッド2基(1基下段のみペットスペース)、シャワートイレ、シャワー、
冷蔵庫、テレビ、ナイトウェア、サンダル、タオル、ドライヤー、洗面用具、
ティーセット、カードキー
バリアフリー 2名×1室 2名 ツインベッド、シャワートイレ、シャワー、冷蔵庫、テレビ、ナイトウェア、
サンダル、タオル、ドライヤー、洗面用具、
ティーセット、カードキー
2等 エコノミーシングル 通常5区画55名
バリアフリー3区画20名
75名 1段ベッド、テレビ、簡易テーブル、電源コンセント、鏡、シリンダーキー
ドライバールーム 6区画56名 56名
B寝台 9区画200名 200名 階段式2段カプセル寝台、小テーブル、荷物置き場、鏡、読書灯、
電源コンセント、ロールカーテン、女性用カードキー
C寝台 2区画32名 32名 階段式2段カプセル寝台、荷物置き場、読書灯、電源コンセント、カーテン

脚注[編集]

外部リンク[編集]