TSI (フォルクスワーゲン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

TSI(Turbo Suparcharger Injection)[1]とは、ドイツフォルクスワーゲンが開発したツインチャージャーエンジン(一部のターボチャージャーエンジンを含む)である。

目次

[編集] 歴史

2005年フォルクスワーゲン・ゴルフ GTに搭載した(のちにジェッタにも搭載)ことが最初である。排気量1.4LのDOHC16バルブガソリン直噴(FSI)エンジンスーパーチャージャー(三葉ルーツ式)とターボチャージャーが組み合わされる。主にTSIのディーゼルターボ版のTDIの技術を取り入れている。最高出力は170馬力でトゥーランには140馬力仕様も用意されるが、ハードウェアは全くの同一でソフトウェアにより最高出力、トルクが制限されている。2007年に登場したゴルフヴァリアントでは、ゴルフGTIなどと同じ2.0LFSIターボエンジンを搭載したモデルにもTSIの名称が与えられている。また、ドイツ本国では1.4LFSIにターボのみで過給したエンジンをTSIと称している。それに、同社のパサートに搭載している1.8LFSIにターボのみで過給したエンジンも同じくTSIとしている。これらのことから、今後は過給機の種類や数にかかわらず、FSIに過給機を組み合わせたエンジンの総称としてTSIを用いる可能性もある。

[編集] 概要

低回転ではまずスーパーチャージャーが作動し、回転数が上がるにつれターボチャージャーも併用され、さらに回転数が上がるとスーパーチャージャーが切り離されターボのみで過給される。スーパーチャージャーを併用することにより低回転では遅れのない過給を実現している。かつてのツインチャージャーエンジンは同一の排気量でいかに出力を向上させるかという点に主眼が置かれていたのに対し、TSIでは燃費を向上させるためのダウンサイジング(小排気量化)を前提として、目標とする性能を達成させるための手段としてツインチャージャーを用いている。同程度の出力、トルクをより小さい排気量で実現しているために、2.4L相当の動力性能を確保しつつ、あまりパワーを必要としない場合は1.6L相当の燃費を実現していると言われている(10・15モード燃費での比較では1.6LのゴルフEを上回り、ゴルフシリーズで一番の低燃費となっている)。これは、トランスミッションにDSGを使用していることも大きく貢献している。また、ソフトウェアのみの変更でエンジン特性を変えることにより、より少ないエンジンバリエーションで広い出力レンジをカバーし、開発コスト、部品コストを低減する狙いもある(この手法は、過給機付きエンジンにおいては主にディーゼルエンジンを中心として、フォルクスワーゲンに限らず各社で用いられている。)。

[編集] その他

エンブレムおよびカタログなどではTSIの文字の一部が赤く表記されるが、エンジンの仕様によって違いがある。1.4L170馬力仕様および2.0LはTSIで、1.4L140馬力と1.4Lターボシングルチャージャーエンジン122馬力仕様はTSIとなる。

フォルクスワーゲン・ゴルフとは関係ないが、ターボチャージャーとスーパーチャージャーとの組み合わせは、日産・マーチスーパーターボBMW・3シリーズカブリオレなどといったものが搭載している。 また、TSIのディーゼルターボ版として、TDIがある。(日本では正式的には販売されていない。)

[編集] 関連項目

  1. ^ 歴史の項で述べた通り、すでに「TSI=ツインチャージャー」ではなくなってしまったため、TSIが何を略したものであるかという定義があいまいになってきている(もともとホームページなどでは何を略したものであるかは明記されていない)。