REVOLUTION+1
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REVOLUTION+1 | |
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監督 | 足立正生 |
脚本 |
井上淳一 足立正生 |
出演者 | タモト清嵐 |
音楽 | 大友良英 |
撮影 | 高間賢治 |
編集 | 蛭田智子 |
公開 | 2022年9月26日(特別版) |
上映時間 | 約50分(特別版) |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
製作費 | 700万円 |
『REVOLUTION+1』(レボリューション・プラス・ワン)は、2022年公開の日本映画。監督は元日本赤軍メンバーの足立正生。2022年7月8日に発生した安倍晋三銃撃事件の実行犯を題材にしている[1][2]。製作費700万円強[2]。
概要
2022年7月8日に発生した安倍晋三銃撃事件の容疑者とされる男をモデルにしたフィクション作品で、犯人の半生を描く[3][4]。
2022年9月15日にタイトルと主演が発表され[5]、故安倍晋三国葬儀が実施される前日の9月26日と当日の27日、日本全国17か所で各々1日限定で上映される。ただし緊急上映につき、映画は約50分の特別版となり、完成版の本公開は年末 - 翌年を予定している[6]。
映画を企画したのは、『止められるか、俺たちを』の脚本家の井上淳一で、安倍の銃撃事件後、足立正生へ電話したところ、映画製作への思いは同じだった。井上は足立に電話をする30分ほど前まである大手メディアの女性記者と電話で話しており、事件発生当時はどこも、事件と関わりある背後団体が旧・統一教会(世界平和統一家庭連合)であることを公開できず、「特定の宗教団体」としていた。記者は電話口で井上に、この状態を「ひどい」と嘆いた。このため、のちに井上は「(彼女が)この映画の真の企画者だと思う」と話した。この女性記者は、安倍に関しては「多くのメディアがかなりエモーショナルに書いている一方で、容疑者については淡々と事実が出てくる中で、ホントにちょっとしか報道されず、容疑者の方にすごく感情移入した。『いま報道ができないのであれば、これは映画の仕事じゃないですか?』と偉そうなことを、井上さんに言ってしまった」と語った[7]。脚本は井上淳一と足立の共作であり、第1稿は8月初旬に僅か3日間で書き上げた。ライブハウスを経営するロフトプロジェクトの出資が決まり、8月末にクランクインした。音楽は大友良英[2]。
主人公が、獄中で回想するという形式をとる[2]。
監督の足立は「事件を知って、大変なことが起こったと思うと同時に、映画を作ってきた身としては、これは映画で表現すべきだと感じました」「(被疑者の)内面に迫ろうと思いました」と語り[2]、また「国葬にあらがいたい。事件は決して許されないが、カルト2世の痛みや苦しみを感じてほしい」とも述べている[1]。毎日新聞の取材に対しては、「容疑者を英雄視しているわけではなく、犯行に至る内面を見つめ、問題提起したかった」と語った[3]。
あらすじ
主人公の川上達也の母は、宗教(旧・統一教会[3])に身を投じ、多額の献金を行った上、3人の子の面倒を見ない。貧しい生活を強いられ、妹は「ハンバーグを週1でいいから食べたい」と泣くがそれを母が叱る。さらに、父の自殺、兄の失明も重なる。大学進学を諦めた川上は、教団が自分の人生を狂わせたと考え、母が信じる宗教と関係の深い元首相の暗殺計画を実行に移す[3][1]。
反響
国葬の日に合わせて特別版を公開したことを問題視する意見や、犯罪者を擁護するような姿勢があるとして、SNSでは公開前より批判が相次いだ。本作を「精神的に行き詰まっていく様を丁寧に追っている」「客観的に容疑者を描こうとしている」などと好意的に報じた朝日新聞にも批判の矛先が向けられた[8]。抗議を受けて予定されていた上映を中止する映画館もあった[3]。
批評
国際政治学者の三浦瑠麗は、2022年9月24日にTwitterで「殺された人と遺族の思いには寄り添わず、殺した人の思いにばかり寄り添ってきたのが、この夏の日本でした」「正義感がもたらす破壊願望ゆえなのか、自分より恵まれていると考える人には共感を寄せられないからなのかはわかりません」と批判的なコメントをした[9]。ただし、同映画を「上映中止に追い込む」ことには反対している[10]。
また、ジャーナリストの青木理は『サンデー毎日』10月16・23日合併号の連載コラムで「実際に観た内容は存外にストレートで、奇を衒ったところもない佳作だった」と述べ、「事件がひろげた波紋と影響の巨大さを考えれば、多くの人びとがーまして芸術や表現に関わる者たちが想像力を羽ばたかせ、それぞれが多様な意味を付与して表現に挑むのは至極自然で当然の営為」と、評価した。
キャスト・スタッフ
キャスト
- 川上達也 - タモト清嵐
スタッフ
- 監督 - 足立正生
- 脚本 - 井上淳一、足立正生
- 企画 - 足立正生、井上淳一
- プロデューサー - 藤原恵美子
- エグゼクティブプロデューサー - 平野悠
- 撮影 - 高間賢治
- 照明 - 上保正道
- 美術 - 黒川通利
- 録音 - 藤林繁
- 編集 - 蛭田智子
- 助監督 - 鎌田義孝、能登秀美
- スチール - 西垣内牧子
- キャステイング - 井上淳一
脚注
- ^ a b c “安倍晋三元首相の銃撃事件題材にしたフィクション映画、26日から上映 足立正生監督:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年9月25日閲覧。
- ^ a b c d e “○○容疑者モデルの映画を緊急上映 元革命家の監督「英雄視しない」:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2022年9月22日). 2022年9月25日閲覧。
- ^ a b c d e “銃撃容疑者描く映画 「英雄視せず内面迫りたかった」 監督に聞く”. 毎日新聞 (2022年9月28日). 2022年10月2日閲覧。
- ^ “○○容疑者 安倍氏銃撃事件がスピード映画化! 監督は元・日本赤軍メンバー、なんと国葬当日に公開へ”. SmartFLASH (2022年9月9日). 2022年9月25日閲覧。
- ^ 東スポWEB (2022年9月16日). “○○容疑者を演じた〝30歳俳優〟の覚悟 安倍氏国葬に合わせて劇場公開”. 東スポWEB. 2022年9月25日閲覧。
- ^ “日本が誇る稀代のシュールレアリスト・足立正生監督の最新作『REVOLUTION+1』、描くは安倍晋三元首相暗殺犯の○○○○容疑者! 劇場公開に先駆け、ロフト系列ライブハウス他、全国ミニシアターでイベント上映決定! - ニュース”. Rooftop. 2022年9月25日閲覧。
- ^ “○○容疑者モデル映画〝真の企画者〟は大手メディアの女性記者だった”. 東スポWeb (2022年9月27日). 2022年10月3日閲覧。
- ^ “「昭恵さんにひどい仕打ち」安倍氏銃撃をテーマにした映画が国葬にあわせ公開で憤りの声…批判の矛先は朝日新聞にも”. SmartFLASH. 2022年9月25日閲覧。
- ^ “三浦瑠麗氏、安倍氏銃撃の○○容疑者映画に複雑「殺した人の思い」に寄り添う日本”. デイリースポーツ. 2022年9月25日閲覧。
- ^ “三浦瑠麗 Lully MIURA Twitter”. Twitter. 2022年9月29日閲覧。