LISA (ゲーム)

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LISA
ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 Microsoft Windows
OS X
Linux
[Definitive Edition]
PlayStation 4
PlayStation 5
Xbox One
Xbox Series X/S
Nintendo Switch
開発元 ディンガリング・プロダクションズ
発売元 ディンガリング・プロダクションズ
デザイナー オースティン・ジョーゲンセン
シナリオ オースティン・ジョーゲンセン
音楽 オースティン・ジョーゲンセン
美術 オースティン・ジョーゲンセン
人数 1人
発売日 世界の旗 2012年(The First)
世界の旗 2014年12月15日(The Painful)
世界の旗 2015年(The Joyful)
[Definitive Edition]
世界の旗 2023年7月18日
日本の旗 2024年3月21日
エンジン RPGツクールVX Ace
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映像外部リンク
LISA: the Painfulトレイラー
LISA: the Painful"Life in Hell"トレイラー

LISA』(リサ)は、世界終末(ポストアポカリプス)系ロールプレイングゲームのシリーズ。『LISA: The First』『LISA: The Painful』『LISA: The Joyful』の三部作。ディンガリング・プロダクションズ(Dingaling Productions、現在はラヴブラッド・ゲームズ (LoveBrad Games))が開発・販売にあたり、シナリオ執筆・ゲームデザイン・作曲はオースティン・ジョーゲンセン(Austin Jorgensen)が行った。

2023年7月18日には、第二部『LISA: The Painful』と第三部『LISA: The Joyful』をセットにし新要素を追加したリマスター版『LISA: Definitive Edition』が海外で発売され[1]、日本では2024年3月21日に発売された[2]。第一部『LISA: The First』は限定版パッケージ『LISA: Bundle of Joy』に付属するダウンロードコードを介して入手する形式になっている[2]

解説[編集]

LISA: The First[編集]

第一部『LISA: The First』は、2012年にフリーウェアとして配信された[3]

父マーティから虐待を受けている少女リサが自らの記憶を取り戻すためのビデオテープを探す中で狂気の世界に迷い込む様子が描かれており、『ゆめにっき』に近いゲームシステムとなっている。リサは次回作である『Painful』の時点で既に自殺しているため、以降の作品では登場人物の回想という形での登場となる。

LISA: The Painful[編集]

第二部『LISA: The Painful』は、Kickstarterを通じて資金が集められ、2014年12月15日にMicrosoft Windows/OS X/Linux用ゲームソフトとして発売された[4]

女性が死滅した結果崩壊に向かいつつある世界にて、リサの兄ブラッドが一人の女の赤ん坊を拾ってバディと名付けて育てあげる様子が描かれている。Dingalingは、暖かな絵柄ながらもシリアスな世界観とコミックリリーフで知られる『MOTHER2 ギーグの逆襲』から影響を受けたとしているが[5]、GameSparkのRIKUSYOをはじめとする日本人ライターからは世界観が『北斗の拳』に近いという指摘がある[6]。荒廃した世界観はゲームのシステムにも表れており、たとえばキャラクターが負傷したり身体の一部を欠損するとそれがグラフィックに反映されるほか、時として犠牲を伴う選択をせざるを得ない状況が発生することもある[6]。また、ブラッドは過去のトラウマから逃れるためにJoyという薬物に手を出しているという設定であるため、禁断症状が出ているときはステータスが下がるという仕組みとなっている。

LISA: The Joyful[編集]

第三部『LISA: The Joyful』は、2015年に前作『LISA: the Painful』のダウンロードコンテンツとして配信された。

主人公は『LISA: the Painful』にも登場したバディことナンシーであり、自らを母体とした世界を築くために戦う物語が展開される。

反響[編集]

評価
集計結果
媒体結果
GameRankings73%[7]
Metacritic78/100[8]
レビュー結果
媒体結果
Gamer.nl7/10[9]
Kill Screen81%[10]
RPGamer4/5[11]

本三部作は、非公式の二次創作が作られるほどの大ヒットを飛ばした。 批評面においても、多くの評論家たちから肯定的な評価を受けた。

ライターの岡本玄介は『LISA: the Painful』について、「ダークで鬱屈としたストーリーが展開するRPGはあるものの、ここまで勝っても絶望感を味わうゲームはなかなかない」とKotakuに寄せた記事の中で評価している[12]

脚注[編集]

  1. ^ 名作インディーRPGが新要素と共に復活!『LISA: Definitive Edition』7月18日配信決定―公式日本語訳も公開予定”. Game*Spark (2023年6月7日). 2023年12月20日閲覧。
  2. ^ a b 日本語版『LISA』2024年3月21日に発売。女性がいなくなった世界で巻き起こる薬物中毒男と少女の物語。新要素も追加”. ファミ通.com (2023年12月5日). 2023年12月20日閲覧。
  3. ^ Jorgensen, Austin (2012年10月9日). “Lisa "The First"”. RPGMaker.net. 2016年9月3日閲覧。
  4. ^ LISA on Steam”. Steam (2014年12月15日). 2015年12月18日閲覧。
  5. ^ Smith, Adam (2013年11月26日). “The Sacrificial Limb: Lisa – The Painful RPG”. Rock, Paper, Shotgun. 2014年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月6日閲覧。
  6. ^ a b RIKUSYO (2014年10月25日). “北斗でマザーな世界!『LISA』の最新トレイラーが公開、 心が不安になる独特な雰囲気”. 2017年10月22日閲覧。
  7. ^ LISA for PC”. GameRankings. CBS Interactive. 2015年12月18日閲覧。
  8. ^ LISA for PC Reviews”. Metacritic. CBS Interactive. 2015年12月18日閲覧。
  9. ^ Barnhard, Thijs (2015年2月15日). “LISA: The Painful RPG - Earthbound voor weirdo's” (Dutch). Gamer.nl. Sanoma. 2015年12月19日閲覧。
  10. ^ Carmichael, Stephanie. “LISA Makes A Monster Out Of You”. Kill Screen. 2015年12月19日閲覧。
  11. ^ Welhouse, Zach. “LISA - Review - Joy to the World”. RPGamer. CraveOnline. 2015年12月19日閲覧。
  12. ^ 岡本玄介 (2014年10月30日). “女性が絶滅した終末世界でクソ野郎と変態が生き残りを賭けるRPG『LISA』”. Kotaku. 2017年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月22日閲覧。

外部リンク[編集]