A1W (原子炉)

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A1Wアメリカ海軍の艦艇向け発電推進原子炉プロトタイプである。

型式の A1W は以下のような意味である。

この原子炉はウェスティングハウス・エレクトリックが製造し、アイダホ州アルコ近郊にあるアイダホ国立研究所(英語版)の敷地内の砂漠に設けられたアメリカ海軍原子炉施設(英語版)に設置されて1958年から運転が始まった。原子炉プラントにはA1W-AとA1W-Bの2つの炉心があったが、それぞれの炉心で発生した蒸気は主推進軸に接続された1台の蒸気タービンを駆動するように接続されていた[1]

A1Wの目的は海上のエンタープライズのシミュレートだったため、蒸気を艦載機の発艦を模擬する2台の復水器に流すこともできるようになっていた。また、主発電機で発電した電気は、艦内の電力負荷を模擬するため、水槽に浸した電極に通電することで消費するようになっていた。

70年代初めには、A1W-Bは試験のためニミッツ級航空母艦用原子炉(A4W)と交換された。

この原子炉は、世界初の原子力空母エンタープライズ (CVN-65) に搭載されたA2Wの原型となった[2]

A1W は約34年に渡り乗組員の訓練に利用された後、1994年1月26日に運転停止された[3]

脚注[編集]

  1. ^ Nuclear Naval Propulsion”. 2015年12月3日閲覧。
  2. ^ Nuclear Propulsion”. 2007年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年9月19日閲覧。
  3. ^ INL 60th Anniversary

参考資料[編集]

  • Stacy, Susan M (2000). "Proving the Principle, A History of The Idaho National Engineering and Environmental Laboratory, 1949-1999", (Chapter 10) [1]