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A1E1 インディペンデント重戦車

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A1E1 インディペンデント
性能諸元
全長 7.6 m
全幅 2.7 m
全高 2.7 m
重量 33 t
懸架方式 コイルスプリング ボギー式
速度 32 km/h
主砲 Ordnance QF 3ポンド 砲(口径47 mm)
副武装 7.7 mm ヴィッカース機関銃 4挺
装甲 13-28 mm
エンジン アームストロング シドレー 空冷V型12気筒
370 hp hp
乗員 8名
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ヴィッカース A1E1 インディペンデントは、イギリス多砲塔戦車ヴィッカース社によって、戦間期に設計された。試作段階にしか達しなかったものの、多数の戦車の設計に影響を及ぼした。

A1E1のデザインが影響したとみなせるものとしては、ソビエト連邦T-100多砲塔戦車、T-28中戦車ドイツノイバウファールツォイク、さらにイギリス軍Mk.III中戦車巡航戦車 Mk.I(3砲塔型)などの戦車が挙げられる。ソ連赤軍T-35多砲塔戦車は、本車の計画とレイアウトに多大な影響を受けたものであった。

デザイン

インディペンデント戦車は多砲塔形式であり、中央の砲塔はOrdnance QF 3ポンド 砲を装備した。4つの副砲塔はそれぞれ水冷式の7.7mmヴィッカース機関銃を装備した。副砲塔のうち2つは前方に、もう2つは後方に配置された。コーナーに位置する砲塔は航空機に対処するために上下させることができた。

車体前部に設けられた操縦席の後方に全周旋回可能な主砲塔が備わり、ここには車長用の全周旋回可能なキューポラが設けられた。各砲塔には目標指示器が装備され、車長はこの装置と車内通信機により射撃指揮を行うことが出来た。乗員は8名であった。

インディペンデントは実戦には一度も参加しなかったが、各国陸軍は本車を模倣した。

歴史

ボービントン戦車博物館のインディペンデント

1924年、イギリス陸軍参謀本部はインディペンデントとして知られることになる重戦車の試作型を発注した。そこでウォルター・ゴードン・スミスを設計主務者とし、アームストロング・シドレー35.8リットルのV12空冷式エンジンが設計された。また本車には、重さと速度を配慮して、特別に開発されなければならなかった新しい油圧ブレーキシステムを組み込んだ。1926年、試作型は陸軍省に納入されたものの、資金不足のために放棄されることとなった。

この戦車は、ソ連に端を発する工業技術的、政治的なスパイ活動の対象となり、おそらくはT-35戦車の設計に影響したと考えられる。 現在、インディペンデント多砲塔戦車はイギリスのボービントン戦車博物館で保存されている。

脚注

出典

  • Tucker, Spencer (2004). Tanks: An Illustrated History of Their Impact. ABC-CLIO. pp. 49?51. ISBN 1576079953 

外部リンク