35mm口径弾
35mm口径弾(35ミリこうけいだん)は、35mm口径の砲弾。
35mm×228
第二次世界大戦終結直後、スイスのエリコン社(現在はドイツのラインメタル社に吸収合併)は、新しい砲弾規格である20mm×128弾を開発した。続いて1950年代初頭に、これを大口径化して開発されたのが、35mm×228弾である。
35mm×228弾は、1950年代後半より、エリコンKDA/KDB 35 mm 機関砲とともに運用を開始した。同砲を採用したGDFシリーズの牽引式高射機関砲は、日本の陸上自衛隊が35mm2連装高射機関砲 L-90として採用したのを初めとして、世界的に広く採用された。
弾薬種類一覧
弾薬名称 | HEI-T | HEI | HEI(BF) | SAPHEI-T | FAPDS | TP-T/TP | AHEAD |
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砲弾重量 | 535 g (18.9 oz) | 550 g (19 oz) | 375 g (13.2 oz) | 550 g (19 oz) | 750 g (26 oz) | ||
炸薬量 | 98 g (3.5 oz) | 112 g (4.0 oz) | 70 g (2.5 oz) | 22 g (0.78 oz) | n/a | ||
発射薬量 | 330 g (12 oz) | ||||||
弾薬重量 | 1,565 g (55.2 oz) | 1,580 g (56 oz) | 1,552 g (54.7 oz) | 1,440 g (51 oz) | 1,580 g (56 oz) | 1,780 g (63 oz) | |
砲口初速 | 1,175 m/s (3,850 ft/s) } | 1,440 m/s (4,700 ft/s) | 1,175 m/s (3,850 ft/s) | 1,050 m/s (3,400 ft/s) |
弾薬名称
- HEI: 焼夷榴弾(High Explosive Incendiary)。-Tは曳光弾を意味する。
- SAPHEI: Semi-Armour Piercing High Explosive Incendiary。
- FAPDS: Frangible APDS。着弾の衝撃により、目標貫徹過程で弾頭が破砕することで、貫徹よりは破壊をもたらす。
- AHEAD: 調整破片・知能化信管を採用したABM弾。152個のタングステン・ペレット(重量3.3g)を内蔵する。
- TP: 演習弾。-Tは曳光弾を意味する。
採用砲
無反動機関砲
ラインメタル社は、30mm口径の無反動機関砲としてRMK30を発表したが、これを大口径化したRMK35も開発された。無反動砲としての性格上、従来型の弾薬は使用できず、専用弾薬が開発されている。最初に開発されたRMK 35 / 1は35mm×300弾、次に開発されたRMK 35 / 2は35mm×350弾を使用する。
参考文献
- ATEN (2008年). “Army Guide - KDA, Gun” (英語). 2011年10月12日閲覧。
- www.navweaps.com (2008年10月22日). “Germany / Switzerland 35 mm/1000 KDG Millennium GDM-008” (英語). 2011年10月12日閲覧。
- Norman Friedman (2006). The Naval Institute guide to world naval weapon systems. Naval Institute Press. ISBN 9781557502629