3つのピアノ四重奏曲 (ベートーヴェン)

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3つのピアノ四重奏曲 WoO36(3つのピアノしじゅうそうきょく WoO36)はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン1785年にピアノと弦楽のために作曲したピアノ四重奏曲[1]


ベートーヴェン ピアノ四重奏 WoO36 表紙 (1828年初版)

概要[編集]

この作品はベートーヴェンの最初期のボン時代に作曲されたものであるが、ベートーヴェンの死後になって出版された[1]。その際、その完成度の高さから14歳の作品とは思えず、フェルディナント・リースをふくむ音楽家たちを驚かせた[1]

この曲ではベートーヴェンの最初期の他の作品にも見られるように、全体的な楽章構成や調設定、テンポ、主題や和声構造などの多くの点にモーツァルトの影響が顕著に見られる。[2]。また、後に最初の出版作品の2つとなるピアノ三重奏曲第1番第2番第3番 作品1と、ピアノソナタ第1番第2番第3番 作品2の中に、この曲の主題素材や楽節が取り出されている[3]

第1番 変ホ長調 WoO36-1[編集]

モーツァルトのヴァイオリンソナタ ト長調 K.379を手本にしていると言われている[2]

第1楽章[編集]

Adagio assai

第2楽章[編集]

Allegro con spirito

第3楽章[編集]

Cantabile

第2番 二長調 WoO36-2[編集]

第3番 ハ長調 WoO36-3[編集]

モーツァルトのヴァイオリンソナタ ハ長調 K.296を手本にしていると言われている[2]


脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

参考文献[編集]

  • ルイス・ロックウッド『ベートーヴェン 音楽と生涯』土本英三郎・藤本一子[監訳]、沼口隆・堀朋平[訳]、春秋社、2010年11月30日。ISBN 978-4-393-93170-7 

外部リンク[編集]