韓国自由総連盟

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韓国自由総連盟
各種表記
ハングル 한국자유총연맹
漢字 韓國自由總聯盟
発音 ハングクチャユチョンニョンメン
英語 Korean Freedom General League
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韓国自由総連盟(かんこくじゆうそうれんめい)は、反共主義に基づく教育や諸活動の実施を目的としている大韓民国の代表的な右翼団体

概要[編集]

韓国自由総連盟は、1954年李承晩韓国大統領蔣介石中華民国総統の主導によって組織されたアジア民族反共連盟の韓国支部として設立された。その後、1963年の「韓国反共連盟法」制定を受け、1964年に韓国反共連盟へと組織の改編を行い、政府から公益法人の認定を受けた。そして、1989年に「韓国自由総連盟の育成に関する法律」が制定されたことを受け、名称が現在のものへと改められた。同法第5条に基づき、韓国自由総連盟の事業計画書および毎年歳入歳出予算書を行政安全部長官に提出することになっており、政府の統制を受ける。

現在、韓国自由総連盟はソウル特別市中区奨忠洞に本拠地を置いている。2023年時点の総裁は、国会議員を3期歴任した与党国民の力所属の姜碩鎬朝鮮語版(カン・ソコ)である[1]2002年時点で、連盟は総計約50万人の会員を有しており、各道、市、郡ごとに支部が設置されている。

韓国自由総連盟の主要な活動としては、反共活動に対する指導と反共資料の調査・研究、及びに反共思想の宣伝が挙げられる。その関連で、連盟では月刊誌「自由公論」と「自由新聞」を発刊し、反共思想の普及に努めている。なお、連盟は韓国政府から恩恵として、国共有財産の無償貸付、施設支援、経費補助や財産上の援助、租税減免措置を受けている。

一方、朝鮮戦争以後、冷戦時代の1988年12月31日まで韓国国民の海外旅行が自由ではなかった時代にパスポート発給を申請した人々の反共教育を専担したりもした[注 1][2][3][4][5]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 韓国では1982年まで当時、韓国の国家経済が良くなく、海外旅行で国の外貨が外国に流出することを防ごうとする目的などの理由で韓国民の海外旅行を政府で完全に統制していた。1983年から満50歳以上の国民に限って政府に預け金を納付し、反共教育を履修する条件付きで年1回海外旅行が許可され始め、ソウルオリンピック開幕後の1989年1月1日から海外旅行の年齢制限がなくなり、複数パスポートの発給が許可されるなど国民の海外旅行が自由化され始め、1992年から素養教育履修義務が廃止されるなど海外旅行制限規定が完全に撤廃された(海外移住や外交官、公務遂行などの公共目的で出国する理由ではなく、一般観光目的の海外旅行を意味する)。すなわち、1992年以前にパスポート発給を申請した人の場合、関連教育を履修してこそ法律上のパスポート発給が行われるシステムであったため、これに関する反共教育を実施する業務を韓国自由総連盟が引き受けた。

出典[編集]

  1. ^ 자유총연맹 신임 총재에 강석호 선출”. 慶北道民日報. 손경호 기자 (2022年12月25日). 2023年6月29日閲覧。
  2. ^ 해외여행 전면개방... 일반여권 통합”. 朝鮮日報. NAVER Newslibrary (1988年12月28日). 2023年6月29日閲覧。
  3. ^ 새해부터 해외 관광여행 완전 자유화[김상기]”. MBC. MBC NEWSDESK (1988年12月31日). 2023年6月29日閲覧。
  4. ^ 50대 이상만 여권 발급, 여행 전 반공 교육…그때를 아십니까”. 中央日報. 최승표 기자 (2019年1月21日). 2023年6月29日閲覧。
  5. ^ 기록으로 만나는 대한민국”. 行政安全部. 韓国政府国家記録院公式ウェブサイト (2013-10-00). 2023年6月29日閲覧。

外部リンク[編集]