電極

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

電極(でんきょく)とは、受動素子真空管半導体素子のような能動素子電気分解装置電池などにおいて、その対象物を働かせる、あるいは電気信号を測定するなどの目的で、電気的に接続する部分のことある。

また、トランジスタのベース、FETのゲートなど、ある電極から別の電極への電荷の移動を制御するための電極もある。

目次

極性の定義 [編集]

電気化学(電気分解や電池)やダイオード(真空管(二極管)、半導体素子)では、外部回路から電流が流入する(外部回路に電子が流出する)電極をアノードと呼び、外部回路に電流が流出する(外部回路から電子が流入する)電極をカソードと呼ぶ。

電気化学では、電極から溶液に正電荷が移動する極(溶液から電子が流入する側の電極)がアノードで、溶液から電極に向って正電荷が移動する極(溶液に向って電子が放出される側の電極)がカソードである。

(溶液から負電荷(アニオン)が集まる方がアノードで、正電荷(カチオン)が集まる方がカソードである。)

アノード、カソードの語はファラデーにより命名され、ギリシャ語で上り口を意味する'anodos'と下り口を意味する'cathodos'に由来する。

一方、電位により極性を定義する場合は、電位が高い方を陽極(ようきょく)、低いほうを陰極(いんきょく)と呼ぶ。

このため、陽極/陰極とアノード/カソードは、電池の電極の場合と電気分解の電極の場合で、対応付けが逆になる。

  • 電気分解の場合
    • 陽極 = アノード、陰極 = カソード
  • 電池の場合(二次電池の場合、放電時をベースに考える)
    • 陽極 = カソード、陰極 = アノード

となる。

また電池の場合は、陽極(カソード)を正極(せいきょく、positive electrode)、陰極(アノード)を負極(ふきょく、negative electrode)とも呼ぶ。

半導体素子 [編集]

  • トランジスタ : エミッタ (E)、コレクタ (C)、ベース (B)
    • 名称はベース接地接触型PNPトランジスタの構造と正孔の動きに由来し、正孔が注入される極(Emitter=emissions : 放出)、正孔が回収される極(Collector=collections : 回収)、接地基板(Base : 基板)にちなむ。
  • FET : ソース (S)、ドレイン (D)、ゲート (G)
    • 名称は接合型電界効果トランジスタトランジスタの構造と電子の動きに由来し、電子を発生する極(Source : 発生源)、電子を外へ排する極(Drain : 排出溝)、調節する関門 (Gate) にちなむ。
  • ダイオード : カソード (K)、アノード (A)
    • ダイオードはもともと二極真空管 (Di-electrode tube) を指し、アノード電極、カソード電極と対応する。記号Kはドイツ語のカソード (Kathode)、アノード (Anode) に由来する。

陰極管 [編集]

  • 真空管 : カソード (K)、プレート (P)、グリッド (G)

受動素子 [編集]

電気分解 [編集]

  • 陽極
    • 陽極に電子が奪われ、酸化反応が起こる。
  • 陰極
    • 陰極から電子が供給され、還元反応が起こる。

電池 [編集]

  • 正極
    • 正極から電池へ電子が供給され、還元反応が起こる。
  • 負極
    • 負極から電池の電子が奪われ、酸化反応が起こる。

標準電極 [編集]

pHや標準電位などを測定するために用いる。