陸前高田市民文化会館

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陸前高田市民文化会館
地図
情報
通称 奇跡の一本松ホール[1]
正式名称 陸前高田市民文化会館[2]
完成 2020年2月
開館 2020年4月11日
客席数 640席[3]
延床面積 3,591 m²
用途 劇場・ホール・文化施設(集会場)[4]
設計 NTTファシリティーズ、関・空間設計[4][5]
運営 共立ソリューションズ(指定管理者[6]
所在地 029-2205
岩手県陸前高田市高田町字館の沖302番地3[2][6]
位置 北緯39度0分57秒 東経141度37分55秒 / 北緯39.01583度 東経141.63194度 / 39.01583; 141.63194 (陸前高田市民文化会館)座標: 北緯39度0分57秒 東経141度37分55秒 / 北緯39.01583度 東経141.63194度 / 39.01583; 141.63194 (陸前高田市民文化会館)
最寄駅 JR大船渡線BRT 陸前高田駅
最寄バス停 岩手県交通「アバッセたかた前」
最寄IC 三陸沿岸道路 陸前高田IC
外部リンク 公式ウェブサイト
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陸前高田市民文化会館(りくぜんたかたしみんぶんかかいかん)は、岩手県陸前高田市高田町にある多目的ホール

2011年東日本大震災で被災した陸前高田市民会館および陸前高田市中央公民館の機能を併設した複合施設[7]として2020年令和2年)に開館した。愛称は、公募で選ばれた「奇跡の一本松ホール[1]

前身である陸前高田市民会館・陸前高田市中央公民館についても本項目で記述する。

解説[編集]

市民会館および公民館の機能を併せ持つ複合施設であり[7]、整備前には図書館博物館の機能も含めた施設とすることも一時検討されていた[8]

建物は鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)3階建てと木造平屋建てを組み合わせた設計[1]で、設計はNTTファシリティーズと関・空間設計が担当した[4][5]。鉄筋コンクリート造のホールは1階席が円形状に配置され、2階席も立体的に1階席を取り囲むように構成されているため、ホール全体が一体感のある設計となっている[4][5]。公民館の部分は平屋で、中庭を囲むように諸室が配置されており、明るく開放的な印象を与える設計となっている。また高さのあるホール部分と平屋の部分を分割したデザインとすることで、街並みに対する圧迫感を低減している[5]

愛称は、市の公募で集まった865件の中から、市内の小学生が考案した「奇跡の一本松ホール」が選ばれた[1]。ホールの緞帳には、愛称の由来である奇跡の一本松が描かれている[9]

総事業費は約29億8100万円で、国の災害復旧費や震災復興特別交付税によって賄われた[1]

施設[編集]

建築概要[編集]

ホール概要[編集]

  • 面積:1,114 m²(舞台・袖・袖花道・客席)[3]
  • 座席[7]
    • 1階席:固定席 454席、車椅子スペース 4区画
    • 2階席:固定席 171席、車椅子スペース 4区画、親子席 7席
    • 合計:固定席 625席、車椅子スペース 8区画、親子席 7席

諸室[編集]

出典:[3]

  • 楽屋
    • 大楽屋、小楽屋1、小楽屋2
  • ルーム
    • ルーム1、ルーム2、ルーム3
    • 利用用途例:会議室、研修室、講義室
  • 和室
    • 和室1、和室2、和室3
    • 利用用途例:茶道室、華道室
  • 練習室
    • 大練習室、小練習室1、小練習室2
    • 利用用途例:リハーサル室、コーラス、ダンス、軽運動(大練習室)/楽器演奏、コーラス(小練習室)
  • 実習室
    • 実習室1、実習室2
    • 利用用途例:講座、実習
  • ホワイエ
  • デッキ
  • 中庭

所在地[編集]

  • 岩手県陸前高田市高田町字館の沖302番地3[2][6]

陸前高田市中心部に位置し、大船渡線BRT陸前高田駅から徒歩1分の場所にある[9]。大型商業施設「アバッセたかた」に隣接する。

陸前高田市民会館・陸前高田市中央公民館[編集]

市民会館は1965年、中央公民館は1977年開館[4]。市民会館は集会や式典のほか、市民活動の練習・発表の場として、また中央公民館は生涯学習の拠点として各種講座などに利用されていた[6]。1980年6月には穐吉敏子が市民会館で公演を行い[10]、後になって発見された音源がCD化されている[11]

東日本大震災では、発災当日に市民会館が確定申告の会場となっており、また市によって津波の一次避難所に指定されていたことから、多くの市民や市職員が避難していた。しかし来襲した津波によって3階建ての建物は完全に水没し、130人以上が犠牲となった[12]。また施設についても、市民会館・中央公民館ともに全壊した[6]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f まちなか活気創出にも期待 市民文化会館が開館 現地で記念式典 陸前高田(別写真あり)」『Web東海新報』東海新報社、2020年4月12日。2023年8月13日閲覧。
  2. ^ a b c 陸前高田市民文化会館条例”. 陸前高田市. 2023年8月13日閲覧。
  3. ^ a b c 施設紹介”. 陸前高田市民文化会館 奇跡の一本松ホール. 2023年8月13日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j 陸前高田市民文化会館(奇跡の一本松ホール)”. NTTファシリティーズ. 2023年8月13日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h 陸前高田市民文化会館「奇跡の一本松ホール」”. 関・空間設計. 2023年8月13日閲覧。
  6. ^ a b c d e 概要”. 陸前高田市民文化会館 奇跡の一本松ホール. 2023年8月13日閲覧。
  7. ^ a b c d e f 陸前高田市民文化会館「奇跡の一本松ホール」”. 陸前高田市. 2023年8月13日閲覧。
  8. ^ 新陸前高田市立図書館整備基本構想” (pdf). 陸前高田市教育委員会 (2015年9月). 2023年8月13日閲覧。
  9. ^ a b 大久保泰「岩手)「奇跡の一本松ホール」完成 陸前高田」『朝日新聞デジタル朝日新聞社、2020年4月7日。2023年8月13日閲覧。
  10. ^ 秋吉敏子さんと絆 半世紀 記念ライブきょう盛岡で」『読売新聞読売新聞社、2022年11月10日。2023年8月13日閲覧。
  11. ^ 代表ご挨拶 - 穐吉敏子JAZZミュージアム”. 穐吉敏子JAZZミュージアム (2021年). 2023年8月13日閲覧。
  12. ^ 陸前高田市東日本大震災検証報告書” (pdf). 陸前高田市. p. 111 (2014年7月). 2023年8月13日閲覧。

外部リンク[編集]