画像安定装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
画像安定装置(がぞうあんていそうち)とは、「画像」を「安定」させる装置である。
[編集] 概要
画像安定装置はタイムベースコレクター(Time-Based Corrector)と呼ばれる機能を中心としている。これは自ら同期信号を生成し、その信号に映像を同期させることによって同期の乱れた映像ソースを安定化させるものである。
また、CGMS-Aやマクロヴィジョンは、同期信号中に特別の信号を付加することで、対応機器において、意図的に輝度を激しく変化させたり同期を乱したりする他、デジタル映像機器においてコピー回数を制限するなど、複製の制限を行わせるものである。コピーガードの除去を意図しなくても、TBCによって新たに生成された同期信号中には、この信号は含まれないので、結果的にコピーガードが機能しなくなるのである。
日本の著作権法には、コピーガードに関しては「記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。」という例外規定がある。現在発売されている画像安定装置の趣旨は、あくまで映像編集におけるノイズリダクションであって、決してコピーガードの除去を目的として開発された商品ではないため、画像安定装置は、グレー商品ではないかといった見方もある。
元来の用途としては、古いビデオをDVDにダビングする場合の画像補整が挙げられる。かつて販売され、現在は販売が禁止されているタイプのコピーガード除去機では、元の映像ソースの同期信号をそのまま使い、同期信号からCGMS-Aの信号を取り去るものであったから、外面的には同じに見えても動作は大きく異なる。
2008年現在では、回路の一部を改変する事で「デジタル放送のコピーワンス・コピーガードを除去する」装置に変わる製品が主流となっている(本来の画像補整機能が充実している機種がSKNetの3DWProやBriller(ブリエ)などのみになってしまったため)。そのためか、大型家電量販店でも、デジタルチューナーとアナログDVDレコーダーの間に、「地デジ残すならコレ!」などといったキャッチコピーと共におかれていることが多くなった。
最近ではPROSPECが、堂々と(「CGMS-Aが解除できます」とは書いていないが)デジタル放送をCPRM非対応の安価なDVD-Rに録画できる・バックアップが複数作れる等のことをPOPに書くなどしており、これから2011年のアナログ波停止に向け、単体地デジチューナー、DVDレコーダー、Blu-ray Discレコーダーなど、地デジ関連機器を購入しに来た客が同時購入する可能性も存在する。特に、消費者が、自分や家族が出演、あるいはインタビューなどで自分や家族などが映っている映像など、どうしてもメディアのバックアップコピーを作成したい大切な映像がある場合に画像安定装置などを購入する事がよくある。
ただし、画像安定装置を使ってメディアの複製を行なう場合、オリジナルがハイビジョン画質で、録画機もハイビジョン対応であったとしても、ハイビジョン画質のままでは複製出来ない(コピー側は、通常のSD画質となる)。また同じSD画質同士でも、DVDレコーダーなどのデジタル経路でHDからSDへ変換して記録したデータと比べると、一度デコードされたベースバンド信号からアナログに変換され、さらにそのアナログ映像をアナログ→デジタル変換、MPEG-2等への再エンコードとなる。民生用のビデオ信号記録装置(デジタル方式)は、ほとんどの製品が非可逆圧縮記録の規格のため、圧縮・伸張を繰り返すと、色滲みやブロックノイズなど目に付く画質劣化に繋がり易い。画質劣化は、ある意味「デジタルソースであってもデジタル信号のままでは伝送できない」という画像安定装置の宿命とも言える。劣化の度合いは、画像安定装置の機種や録画機側のスペックにもよるが、特にコンポジット接続をした場合は、画質劣化が激しいと言われている。また、S端子やコンポーネント端子など高画質な接続した場合であっても、メーカー不明の粗悪な安物など品質の悪いケーブルを使用すると著しい画質劣化を招く事もある。
とはいえ、ホームユース目的でのコピーが可能になるというメリットは消費者には大きいようで、「画質は問題ではない」または「画質の問題ではない」という意見もある。

