沓掛時次郎 (橋幸夫の曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
沓掛時次郎
橋幸夫シングル
初出アルバム『橋幸夫傑作集第3集
(LV-222、1961/11)』
B面 浮名の渡り鳥
リリース
ジャンル 股旅(演歌)
時間
レーベル ビクター(VS-534)
作詞・作曲 佐伯孝夫(作詞)
吉田正(作曲)
橋幸夫 シングル 年表
わが生涯は火の如く
(1961年5月20日)
沓掛時次郎
すっとび仁義
(1961年8月5日)
テンプレートを表示

沓掛時次郎』(くつかけときじろう)は、1961年7月5日にビクターレコードより発売された橋幸夫の10枚目のシングルである(VS-534)[1]

概要[編集]

  • 橋の3作めのシングル「おけさ唄えば」の映画化で、橋が市川雷蔵と共演したことが、楽曲制作のきっかけとなった。雷蔵が一回り若い少年橋を気に入ったこともあり、「雷蔵主演で『沓掛時次郎』を撮るから。主題歌を歌って欲しい」と大映側からの依頼があった[2]
  • これを受け、佐伯孝夫作詞、吉田正作曲で、楽曲が作られた。
  • 浅間も含めた「信州物」は、佐伯の十八番の一つで「時代小説を読むような股旅物」に仕上がっており、吉田はこの手の楽曲については「時代小説を読むようなスピード」で創作していった[3]と夫人が回想している。
  • 吉田は本楽曲について「いささかむつかしい起伏に富んだ曲だが、巧味を増した橋君の成果がこの曲でははっきりと見られた」と評している[4]
  • 橋の初期の股旅物では人気曲で、股旅関係のベストアルバムにはほとんど収録されている。
  • c/wの「浮名の渡り鳥」も本作同様、映画「沓掛時次郎」の主題歌である。
  • 楽曲の振付は、橋の踊りの師匠である花柳啓之で、ジャケットに踊り方が図示されている。
  • 1961年に年間で25万枚を売り上げ、ビクターの年間ヒット賞を受賞した[5]

収録曲[編集]

  1. 沓掛時次郎
    作詞:佐伯孝夫、作・編曲:吉田正
  2. 浮名の渡り鳥
    作詞:佐伯孝夫、作・編曲:吉田正

収録アルバム[編集]

  • 『橋幸夫ベストヒット』(2015年7月10日)BHST153
  • 『吉田正作品集/橋幸夫』(2004.05.21)VICL-61403
  • 『橋幸夫全曲集 』(2003年11月26日)VICL-61251.
  • 『元祖、股旅ここにあり!』(2001年11月21日) VICL-60817
  • 『橋幸夫 全曲集』(1999年10月21日)VICL-60474
  • 『<TWIN BEST>』(1998年11月6日)VICL-41033~4
  • 『<BEST ONE>』(1996年10月23日)VICL-816
  • 『橋幸夫/股旅~ベスト・オブ・ベスト』(1994年10月26日)VICT-15078
  • 『橋幸夫/豪華版全曲集』 [2CD] 1992年10月28日 VICL-40059~60
  • 『橋幸夫全曲集』(1993年10月27日)VICL-453
  • 『股旅演歌ベスト<潮来笠から子連れ狼まで>』(1986年5月21日) VDR-1195
  • 颯爽!橋幸夫 股旅名曲集』オリジナル発売日:1972.07.01(2005年3月9日)<COLEZO!>復刻版 VICL-41192

.......他、「浮名の渡り鳥」は従来CD音源がなかったが、『橋幸夫ベスト100+カラオケ15』 [2015/10/28発売]に初収録された。

その他(映画での歌唱)[編集]

  • 映画での歌唱は、映画用に別に吹き込まれたもので、歌詞も2番の一部が、3番は映画の内容に沿った内容となって、リリースされたシングルと異なっている。

関連事項[編集]

  • 映画「沓掛時次郎
    (橋は主題歌のみで、映画には出演していない)

出典[編集]

  1. ^ 「シングルレコード・ディスコグラフィティ」橋幸夫・小野善太郎共著『橋幸夫歌謡魂』ISBN 4-948735-16-7 ワイズ出版(東京)1993/6 168-209頁参照
  2. ^ 橋幸夫・小野善太郎共著『橋幸夫歌謡魂』前掲 26頁
  3. ^ 金子勇『吉田正 誰よりも君を愛す』ISBN 978-4-623-05623-1 ミネルヴァ書房(京都) 2010/1 241頁
  4. ^ 『別冊近代映画』1962年12月号通巻104号 81頁
  5. ^ 週刊サンケイ』1962年2月12日号(田家秀樹『読むJ‐POP―1945‐1999私的全史 あの時を忘れない』徳間書店、1999年、59-60頁。ISBN 4-19-861057-6