杉田協士

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すぎた きょうし
杉田 協士
杉田 協士
生年月日 1977年
出生地 日本の旗 日本 東京都
職業 映画監督
ジャンル 映画
 
受賞

高崎映画祭
最優秀監督賞
2022年『春原さんのうた』

マルセイユ国際映画祭
グランプリ・俳優賞・観客賞
2022年『春原さんのうた』
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杉田 協士(すぎた きょうし、1977年 - )は日本の映画監督小説家。『春原さんの歌』(2021) などの作品で知られる[1]

経歴[編集]

1977年、東京都生まれ[2]立教大学在籍中から映像製作を手がけ、振付家の伊藤都女らとダンスグループを結成、製作・撮影をおこなっていた[3]。大学卒業後に映画美学校初等科に入学、卒業制作として『月のある場所』で監督・脚本をつとめた。修了後、助監督として黒沢清『ココロ、オドル。』(2004)、青山真治『サッド ヴァケイション』(2007) など多数の作品に参加。また塩田明彦作品のメイキング製作、NHK番組のディレクターなども務める[4]

2011年、初長編監督作品『ひとつの歌』が第24回東京国際映画祭日本映画・ある視点部門に出品され[5]、2012年に劇場デビュー。

第2作『ひかりの歌』が2017年の東京国際映画祭、2018年の全州国際映画祭に出品され、2019年に劇場公開。各主要紙や映画誌「キネマ旬報」において高評価を得たことなどで口コミも広まり、全国各地での劇場公開を果たす。

短編小説「河の恋人」「ひとつの歌」を文芸誌『すばる』誌上で発表、歌人の枡野浩一による第4歌集『歌 ロングロングショートソングロング』(雷鳥社)に写真家として参加するなど、幅広く活動をつづける。[6]

2021年、歌人の東直子による短歌を原作とした長編第3作『春原さんのうた』がマルセイユ国際映画祭(FID)にてグランプリ、俳優賞、観客賞の三冠を獲得[7]。さらにマンハイム・ハイデルベルク国際映画祭にで特別賞を受賞したほか[8]、同年秋にはニューヨーク映画祭にて世界の新進監督シリーズの1本に選出されている[9]

2023年には長篇第4作となる『彼方のうた』を製作、ヴェネツィア国際映画祭などへの正式出品を果たした[10]

監督作品[編集]

長編映画[編集]

短編映画[編集]

  • 月のある場所(2002年)
  • 時は廻りて(2002年)
  • ふたりのカナリア(2005年)
  • 河の恋人(2006年)
  • 5つの出会い(2009年)
  • カモメ(2009年)
  • くじけないで手紙を書いた(2011年)
  • 洪水(2012年)

脚注[編集]

  1. ^ Gadre, Soham (2021年10月6日). “NYFF Review: Haruhara-san’s Recorder is Compelling in Theory, But Not Execution” (英語). 2024年4月14日閲覧。
  2. ^ スタッフ / キャスト”. ひとつの歌. boid. 2015年4月9日閲覧。
  3. ^ 杉田 協士 先生 - 大ナゴヤ大学 -”. dai-nagoya.univnet.jp. 2024年4月14日閲覧。
  4. ^ 杉田協士監督作品『ひとつの歌』オフィシャルサイト -- STAFF / CAST --”. www.boid-newcinema.com. 2024年4月14日閲覧。
  5. ^ ブレイザー, フィリップ (2011年10月31日). “【公式インタビュー】日本映画・ある視点『ひとつの歌』”. 東京国際映画祭. 2013年8月2日閲覧。
  6. ^ 松岡, 等 (2013年3月22日). “【映画・短歌】「ひとつの歌」歌人と監督がトーク 金沢市内”. 中日新聞. 2013年8月2日閲覧。
  7. ^ Palmarès” (フランス語). FIDMarseille. 2021年7月26日閲覧。
  8. ^ Kyoshi Sugita | Viennale” (英語). www.viennale.at. 2024年4月14日閲覧。
  9. ^ Haruhara-san’s Recorder” (英語). Film at Lincoln Center. 2021年8月26日閲覧。
  10. ^ Biennale Cinema 2023 | Kanata no uta” (英語). La Biennale di Venezia (2023年8月7日). 2024年4月14日閲覧。

外部リンク[編集]