杉並親子殺害事件
杉並親子殺害事件（すぎなみおやこさつがいじけん）とは2007年（平成19年）1月25日に発生した殺人事件。
概要[編集]
2007年（平成19年）1月25日、東京都杉並区の家で親子2人（母親86歳と長男61歳）が殺害され、現金約4万7千円やクレジットカードが奪われる事件が発生[1]。3日後の1月28日に事件が発覚した。
同日に被害者のカードから現金を引き出そうとして暗証番号が違っていたため引き出せなかった22歳の男・Sを2月10日に逮捕。Sは被害者宅の裏手にある家に住んでいた。親子の殺害を認め、金が欲しかったと供述している。Sの供述からサバイバルナイフを購入し、黒い戦闘服に目出し帽、黒の登山靴で侵入し強盗殺人に及んだと判明。盗んだ金は遊興費に消えていた[2]。
公判において精神鑑定が2度行われたが、その2回では責任能力の有無について、正反対の結果が出ている。検察は動機が明確で責任能力もあり、更生の余地も見られないとして[3]、死刑を求刑したが[4]、犯行の計画性が乏しいことや、犯人であるSの年齢が犯行当時21歳と若く、十分な更生の余地があるとみなしたことにより、2009年（平成21年）7月15日に東京地裁はSに無期懲役判決を言い渡した[1]。検察側・弁護側共に控訴したが、2審東京高裁も無期懲役判決を支持した。結局検察は上告を断念し、被告も自ら上告を取り下げて判決は確定した[1]。
脚注[編集]
- ^ a b c 伊藤直孝「杉並親子強殺：元日大生に２審も無期 東京高裁判決」『毎日jp』、2010年6月17日。2023年6月10日閲覧。オリジナルの2010年7月15日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「杉並の親子２人強盗殺人、元大学生に無期判決」『asahi.com』、2009年7月15日。2022年6月10日閲覧。オリジナルの2009年7月19日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「責任能力めぐり検察、弁護側対立 杉並の強殺が結審 ７月に判決」『MSN産経ニュース』、2009年5月18日。2023年6月10日閲覧。オリジナルの2009年7月23日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「元日大生に死刑求刑 杉並の親子強殺」『MSN産経ニュース』、2009年3月27日。2023年6月10日閲覧。オリジナルの2009年3月30日時点におけるアーカイブ。