感覚遮断

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感覚遮断(かんかくしゃだん、英語:sensory deprivation)は感覚遮蔽とも言われ、刺激を意図的に取り除く行為である。対象とする感覚は身体の全感覚でなくてもよく、一つの場合もある。 目隠しや耳栓など簡単なものでも、視覚・聴覚に対してある程度遮蔽の効果はあるが、アイソレーション・タンクという装置を用いれば視覚聴覚温覚上下感覚を取り除くことが可能である。

方法[編集]

外界から全く刺激を受けない状態がにどのような影響を与えるかを研究する中で、感覚遮断の方法は発展してきた。 よって刺激の定義によってその方法は様々である。

刺激を感覚器への刺激であるとするもの
感覚器が何も感じていない状態を刺激が無い状態とする。感覚遮断の実現方法として、アイソレーション・タンクなどが知られている。
刺激を脳への刺激であるとするもの
感覚器へ物理的な刺激があってもよい。だがその刺激から意味が取り出せない状態をこの場合の刺激が無い状態とする。例えばテレビなどの砂嵐の音を聴いている場合、これは耳に何かが聞こえてはいるが、通常この音の内容に意味を見出せるものではなく、脳は刺激を受けない。ピンポン玉を半分にしたものをそれぞれ両目に装着することによりある程度均一な視界を実現することができる。この場合も目は光を感じてはいるが、脳への刺激は抑えられている。

効果[編集]

長時間感覚遮断状態を続けると自分で刺激を作り出すようになる。口が使える状態であれば、独り言が多くなったり口笛を吹くようになったり歌を歌い出したりするようになる。この状態を過ぎると幻覚を見る場合があり、被験者は音をあげる。感覚遮断から解放した後に計算方向感覚論理などのテストをしてみると、著しく能力を低下させている者が多い。この事により刺激は精神を健全に保つのに必要不可欠なものであると推測される。

地震などで建物が崩壊し、暗く狭い空間に一人で閉じ込められることがある。この時食料と水が充分であったとすると、動ける場合は長期間に渡って助けを待つことができるが、何かに挟まれているなど身動きが取れない状態にあると一週間以上持つことは稀である。これには床ずれ血栓の発生など様々な原因が考えられるが、感覚遮断による精神の異常も原因である可能性が高い。

心理療法としての利用[編集]

短時間の感覚遮断は瞑想の手助けとなり、心理療法として現在用いられている。しかし長時間の感覚遮断は逆に精神に異常をきたし危険である。

性的嗜好としての利用[編集]

ラバーの衣類を身につけて、その身体への圧着状態に性的興奮を覚える人がおり、ラバーフェティシズムと呼ばれる。この興奮状態を説明するために感覚遮断という言葉が用いられることがあるが、この状態は視覚が取り除かれているにしろ、完全に感覚が遮断されているわけではないことに留意したい。また主要な原因は拘禁され身の自由がとれない自分に興奮するマゾヒズムである。

関連項目[編集]


外部リンク[編集]