悪魔の呼び声 (ドクター・フーのエピソード)

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悪魔の呼び声
Can You Hear Me?
ドクター・フー』のエピソード
話数シーズン12
第7話
監督エマ・サリバン
脚本シャーリーン・ジェームズ英語版
クリス・チブナル
制作アレックス・マーサー
音楽セーガン・アキノラ英語版
初放送日イギリスの旗 イギリス 2020年2月9日
エピソード前次回
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フランケンシュタインが生まれた夜
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悪魔の呼び声」(あくまのよびごえ、原題 : "Can You Hear Me?")は、イギリスSFドラマドクター・フー』の第12シリーズ第7話。脚本はシャーリーン・ジェームズ英語版クリス・チブナルが、監督はエマ・サリバンが担当し、2020年2月9日に BBC One で初放送された。

視聴者数は490万人で、批評家のレビューは賛否が割れた。

あらすじ[編集]

13代目ドクター(演:ジョディ・ウィテカー)は1380年シリアアレッポで精神病院の患者の唯一の生き残りであるタヒラ(演:アルハン・ガリーバ英語版)を毛むくじゃらの怪物から救出する。一方でライアン・シンクレア(演:トシン・コール)たちは2020年のシェフィールドで悪夢にうなされていた。特にグレアム・オブライエン(演:ブラッドリー・ウォルシュ英語版)は二つの恒星の間に監禁された女の夢を見ていた。

悪夢の連絡を受けたドクターはグレアムの見た夢が現実であることを知り女の救出に向かうが、それは不死の邪神ゼリン(演:イアン・ゲルダー英語版)の罠であり、ドクターはゼリンの仲間であるもう一人の邪神ラカヤ(演:クレア=ホープ・アシティ英語版)を封印から解き放ってしまう。ドクターはアレッポで遭遇した怪物がタヒラの心の悪夢であると知り、悪夢を逆に利用してゼリンとラカヤの再度の封印を試みる。

連続性[編集]

ゼリンは他の不死の存在としてトイメーカー(The Celestrial Toymaker、1966年)やホワイト・ガーディアン英語版(4代目ドクターと5代目ドクターの複数のエピソードに登場)、エターナル英語版Enlightenment、1983年)を挙げている[1]。トイメーカーはその後2023年に放送された60周年記念スペシャルで再登場した[2]

グレアムの夢では彼の亡くした妻グレースが「鏡の向こう側」以来の再登場を果たし、彼にのことを伝えている。「新生ドクター、地球に落ちる」ではグレアムは自身が癌患者であること、そしてグレースが看護師だったことをドクターに告げている[3]。また、ライアンの夢では「捨てられた惑星」に登場した未来の人類であるドレグが再登場した。

製作[編集]

「悪魔の呼び声」の脚本はシャーリーン・ジェームズ英語版クリス・チブナル[4]、監督はエマ・サリバンが担当した。サリバンは同じく第4製作ブロックの次話「フランケンシュタインが生まれた夜」も監督した[5]

ゼリン役のイアン・ゲルダー英語版は『秘密情報部トーチウッド』第3シリーズで政府官庁職員デッカーを演じていた。第11シリーズ「サバイバル・ラリー」ではレムナントの声を担当した[6]シャロン・D・クラーク英語版はグレース役で再出演した[3]

放送と反応[編集]

専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
The A.V. ClubB–[7]
エンターテインメント・ウィークリーC+[8]
メトロ英語版4/5stars[9]
ラジオ・タイムズ3/5stars[10]
インデペンデント2/5stars[11]
デイリー・テレグラフ4/5stars[12]

「悪魔の呼び声」はイギリスでは2020年2月9日に放送され[13]日本では2020年8月5日からHuluで字幕版・吹替版共に配信が開始された[14]

イギリスでのその晩の視聴者数は381万人で、その日7番目に多く視聴された番組であった[15]。Audience Appreciation Index のスコアは78であった[16]。合計視聴者数は490万人で、その週のイギリスの番組で第36位であった[16]。これは「嘘という支配」(2017年)の482万人[17]や「消えたローマ兵士の謎」(2017年)の473万人[18]に続き、新シリーズで当時3番目に視聴者数が少ない記録となった。

悪夢に影響されたグレアムは、最新の検査結果が良好であったにも拘わらず癌が再発するのではないかと危惧し、終盤でその不安をドクターに打ち明けた。ドクターは自身が不器用であることを告げ、上手くいけばグレアムにかけるべき正しい言葉が見つかるだろうと返した。このドクターの言動は批評家やファンの間で意見が割れ、ドクターを批判する声や彼女に共感する声が上がった。BBCは「決して否定されるような意味ではなかった。ドクターの友人は怖がっていて、彼女は状況の深刻さに対処するために苦労しているのが分かります。」[注 1]「このテーマに関する会話がいかに難しいかを認識することがこのシーンの意図でした。このような状況に直面したとき、人は適切なタイミングで適切な言葉を持っているとは限らず、それを伝えると罪悪感に繋がることがよくあります。適切な言葉を見つけようと奮闘するドクターの姿を見せることで、同じような立場にある人たちに共感してもらいたいという意図がありました。」[注 2]と声明を出した[19]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ When Graham opened up to the Doctor about his fear of his cancer returning her response was never meant to be dismissive. The Doctor's friend was scared, and we see her struggling to deal with the severity of the situation.
  2. ^ The intention of the scene was to acknowledge how hard it can be to deal with conversations on this subject matter. When faced with these situations, people don’t always have the right words to say at the right time, and this can often lead to feelings of guilt. By showing the Doctor struggling to find the right words, the intention was to sympathise with all those who may have found themselves in a similar position.

出典[編集]

  1. ^ Doctor Who: 10 big questions after Can You Hear Me?”. ラジオ・タイムズ (2020年2月9日). 2020年2月9日閲覧。
  2. ^ 世界最長のSFドラマ「ドクター・フー」 オリジナルスペシャル3作品の配信決定”. 映画.com (2023年11月2日). 2023年12月11日閲覧。
  3. ^ a b “Doctor Who recap: series 38, episode seven – Can You Hear Me?”. The Guardian. (2020年2月9日). https://www.theguardian.com/tv-and-radio/2020/feb/09/doctor-who-recap-series-38-episode-seven-can-you-hear-me 2020年2月10日閲覧。 
  4. ^ Doctor Who Series 12: writers announced”. CultBox (2019年11月13日). 2019年11月13日閲覧。
  5. ^ Guy Murray-Brown”. Gems Agency. 2019年11月1日閲覧。
  6. ^ Who is Doctor Who season 12's Zellin and how is he connected to the Timeless Child?”. Digital Spy (2020年2月9日). 2020年2月10日閲覧。
  7. ^ Siede, Caroline (2020年2月9日). “Doctor Who is all over the map in an episode about mental health”. The A.V. Club. 2020年2月10日閲覧。
  8. ^ Coggan, Devan (2020年2月10日). “Doctor Who recap: Season 12, episode 7: 'Can You Hear Me?'”. エンターテインメント・ウィークリー. 2020年2月12日閲覧。
  9. ^ Doctor Who series 12 review: Can You Hear Me? opens up the Whoniverse”. Metro (2020年2月9日). 2021年1月11日閲覧。
  10. ^ Mulkern, Patrick (2020年2月9日). “Doctor Who Can You Hear Me? review: the stuff of nightmares fleshes out the companions and looks superb – but the mystery needs too much explaining”. ラジオ・タイムズ. 2021年1月11日閲覧。
  11. ^ Power, Ed (2020年2月9日). “Doctor Who review, Can You Hear Me? – Latest episode is a series low-point featuring a Game of Thrones star and a giant space werewolf”. インデペンデント. 2021年1月11日閲覧。
  12. ^ Hogan, Michael (2020年2月9日). “Doctor Who: Can You Hear Me? recap: a refreshingly creepy, un-PC return to form”. The Telegraph. https://www.telegraph.co.uk/tv/2020/02/09/doctor-can-hear-recap-refreshingly-creepy-un-pc-return-form/ 
  13. ^ Laford, Andrea (2020年1月24日). “Episode 7 of Doctor Who Series 12 titled 'Can You Hear Me?'”. Cultbox. 2021年1月11日閲覧。
  14. ^ Huluプレミア『ドクター・フー シーズン12』6・24から独占配信”. TV LIFE web (2020年6月2日). 2020年1月9日閲覧。
  15. ^ Marcus (2020年2月10日). “Can You Hear Me? - Overnight Viewing Figures”. Doctor Who News. 2020年2月10日閲覧。
  16. ^ a b Marcus (2020年2月17日). “Can You Hear Me? - Official Ratings”. Doctor Who News. 2020年2月17日閲覧。
  17. ^ The Lie of the Land – Official Ratings”. Doctor Who News (2017年6月12日). 2017年6月12日閲覧。
  18. ^ The Eaters of Light – Official Ratings”. Doctor Who News (2017年6月27日). 2017年6月27日閲覧。
  19. ^ Fullerton, Huw (2020年2月12日). “BBC responds to Doctor Who fans upset by "awkward" Doctor and Graham conversation”. ラジオ・タイムズ. 2020年2月12日閲覧。

外部リンク[編集]