山びこ少女

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山びこ少女やまびこしょうじょ
ジャンル 少女漫画
漫画
作者 わたなべまさこ
出版社 集英社
掲載誌 少女ブック
発表号 1957年8月号 - 1959年7月号
巻数 1. 全6巻(若木書房
2. 全2巻(ホーム社わたなべまさこ名作集
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山びこ少女』(やまびこしょうじょ)は、わたなべまさこ著作の日本漫画作品。集英社、月刊「少女ブック1957年昭和32年)8月号 - 1959年(昭和34年)7月号に丸2年連載されていた[1]

概要[編集]

憧れていた雑誌連載の“初”作品で、わたなべが漫画家を志したキッカケである手塚治虫ジャングル大帝」の影響を思わせるような春美と夏美という双子姉妹が主人公の冒険活劇であった[1][注釈 1]

当時の少女漫画誌には作家の住所が書かれていた為、この作品が初掲載された数日後には、わたなべの自宅に段ボールいっぱいのファンレターの山が届く程のヒット作となり、わたなべまさこはその人気を不動のものとする。以降、少女ブックだけでなく「りぼん」や「週刊マーガレット」等にも次々と連載を手掛けるようになる[2][1]

若木書房より1958-1959年、単行本全6巻発刊。『わたなべまさこ名作集』では全2巻(約740頁)で発刊している[1]

双子のモチーフ[編集]

生き別れの双子」というモチーフを作者は好んで何回も使っており、エーリッヒ・ケストナーの小説「ふたりのロッテ」を下敷きにした1956年『ばら色の乙女』を始め、1957年『瞼の姉妹』と『南海の少女』そして本作『山びこ少女』、1962年ミミとナナ』、1965年『さくら子すみれ子』、1973年『ふたご座生まれ(旧題:双子座生まれ)』、1975年『ふたごのプリンセス』など[3]
「ストーリーをより密度の高いものにしたいため」また「画面が華やかになるし、ストーリーもすごく広がりが出る」「描いていて面白い」「繰り返し繰り返し描いても何か描き足りない」と、双子を何回も登場させた理由を作者は自伝やインタビューで語っている[2][3]

ストーリー[編集]

足立家に生まれた双子の姉妹、春美と夏美は幼い頃、火事に遭い生き別れになる。妹が死んだと思い込む姉・春美と深山に爺やと暮らす妹・夏美の二人は出会えるか。

登場人物[編集]

足立春美
足立夏美

関連項目[編集]

出典・脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 主要作品解説は、少女漫画ラボラトリー【図書の家】主宰メンバーのうちの1人「卯月もよ」が記述

出典[編集]

  1. ^ a b c d 『総特集 わたなべまさこ 90歳、今なお愛を描く』(河出書房新社,2018年9月30日初版,ISBN 978-4309279718)主要作品解説p.159-160|作者インタビューや扉絵p.16-21|全作品リストp.181より
  2. ^ a b 自伝『まんがと生きて』(双葉社,2008年11月16日第1刷,ISBN 978-4575300888)第8章.超売れっ子の仲間入りp.143-149より
  3. ^ a b 2018年の『総特集 わたなべまさこ』主要作品解説p.158-168|全作品リストp.180-190,作者インタビューp.30-31より