千葉修一

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ちば しゅういち
千葉 修一
生誕 1973年
兵庫県神戸市
国籍 日本の旗日本
研究分野 計算機科学ソフトウェア工学
主な業績 スーパーコンピュータ」、「富岳」の開発
主な受賞歴 FIT船井ベストペーパー賞

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千葉修一
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千葉 修一(ちば しゅういち、1973年[1] - )は日本のエンジニア実業家、ジャパンメディカルデバイス株式会社代表取締役CEO/CTO[2][3]計算機科学[1][4]ソフトウェア工学[1][5]による計算機向けソフトウェア開発の第一人者[6][7][8]であり、富士通に所属時代は、スーパーコンピュータ」のソフトウェア開発のチームリーダーとして、スーパーコンピュータ富岳」ではアプリケーション開発基盤の開発責任者として開発に携わっている[9][10]

略歴[編集]

1973年神戸市出身[1]神戸市立御影工業高等学校[1]を経て、1992年富士通神戸エンジニアリングに入社し、通信制御プロセッサのソフトウェア開発に従事[9]

2003年富士通に入社し基幹オンラインシステム向けトランザクション制御の研究開発に従事した後、スーパーコンピュータ「」のソフトウェア開発のチームリーダーとしてコンパイラの研究開発に従事[9]

2007年、フラッグシップ2020プロジェクトに参画、スーパーコンピュータ富岳」におけるソフトウェアの開発責任者としてプログラミング環境(コンパイラライブラリなど)の開発を主導[10]

2018年スーパーコンピュータ」で開発したアプリケーションの高速化技術がアーキテクチャの異なる「富岳」でも効果があることを証明した論文 [11]を発表。第17回情報科学技術フォーラム(FIT2018) [12]において、“FIT2018 船井ベストペーパー賞“を受賞[6]

2021年、父親を循環器疾患で亡くしたことをきっかけに医療分野への参画を決意し、ジャパンメディカルデバイスへ執行役員兼CTOとして入社。心臓シミュレータの技術を活用したデジタル医療機器の実用化/事業化に向けた技術戦略、および技術開発を推進[2][3]

文部科学省スーパーコンピュータ富岳」成果創出加速プログラムの一つである「マルチスケール心臓シミュレータと大規模臨床データの革新的統合による心不全パンデミックの克服」にも主要研究者として参画[13][14][15]

2023年、ジャパンメディカルデバイスの経営体制変更により代表取締役CEO/CTOに就任[16]

令和5年度「スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラム」に採択された”「富岳」で目指すシミュレーション・AI駆動型次世代医療・創薬”では、協力機関のメンバーとして”インシリコ心疾患データベースの公開と応用”、”遺伝子と臓器を結ぶ究極のマルチスケール心臓シミュレーション”の研究に参画[17]

業績[編集]

受賞歴[編集]

  • 情報科学技術フォーラム FIT2018(2018年9月19日 - 9月21日)船井ベストペーパー賞「省レジスタアーキテクチャ向けソフトウェアパイプライニングの評価」[6]

競争的資金[編集]

  • 文部科学省「富岳」成果創出加速プログラム:”マルチスケール心臓シミュレータと大規模臨床データの革新的統合による心不全パンデミックの克服”[2][13][14]
  • 文部科学省「富岳」成果創出加速プログラム:”「富岳」で目指すシミュレーション・AI駆動型次世代医療・創薬”[17]

講演[編集]

(招待講演)[編集]

  • 『PRIMEHPC FX100の特長と概要』2015年6月19日、理化学研究所 情報システム部「理研シンポジウム ペタスケールシステムHOKUSAI GreatWaveとアプリケーションの研究開発への針路」(会場:理化学研究所 和光事業所 大河内記念ホール)[8]

(研究発表・製品発表)[編集]

  • 『スーパーコンピュータ「富岳」における心臓シミュレータ UT-Heartの高度化』2023年3月7日、文部科学省 スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラム「第2回「富岳」成果創出加速プログラム 研究交流会」(会場:オンライン)[15]
  • 『スーパーコンピュータ「富岳」を支えるコンパイラの技術』2021年1月21日、サイエンティフィック・システム研究会「科学技術計算分科会 2020年度会合」(会場:オンライン)[18]
  • 『ポスト京に向けたコンパイラの開発戦略』2018年10月25日、サイエンティフィック・システム研究会「科学技術計算分科会 2018年度会合」(会場:ANAクラウンプラザホテル神戸)[19]
  • 『スーパーコンピュータ「京」を中核とするHPCIにおける富士通の取り組み』2016年12月16日、高度情報科学技術研究機構「第4回OpenFOAMワークショップ」(会場:秋葉原UDX[20]
  • 『「京」コンピュータにおける富士通の取り組みとOpenFOAMの評価』2015年10月15日、高度情報科学技術研究機構「第3回OpenFOAMワークショップ」(会場:秋葉原UDX[21]
  • 『PRIMEHPC FX100の技術について』2015年7月2日、日本航空宇宙学会「第47回流体力学講演会/ 第33回航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウム」(会場:東京大学駒場リサーチキャンパス)[22]
  • 『PRIMEHPC FX10後継機における性能と評価』2014年10月29日、サイエンティフィック・システム研究会「科学技術計算分科会 2014年度会合」(会場:ホテルオークラ神戸[23]
  • 『オープンソースソフトウェアに対する富士通コンパイラの取り組み』2014年10月17日、高度情報科学技術研究機構「第2回OpenFOAMワークショップ」(会場:大手町ファーストスクエアカンファレンス)[24]
  • 『富士通C++コンパイラの性能向上の取り組み』2013年9月27日、高度情報科学技術研究機構「OpenFOAMワークショップ」(会場:秋葉原UDX)[25]

論文[編集]

(推薦論文)[編集]

  • 千葉修一, 青木正樹, 鎌塚俊, 松井雅人, 八代尚「省レジスタアーキテクチャ向けソフトウェアパイプライニングの評価」『情報処理学会論文誌』第61巻第2号、2020年2月、429-439頁、ISSN 1882-7764NAID 170000181703 

著作[編集]

記事[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e ジャパンメディカルデバイス. “千葉修一”. 千葉修一. 2024年3月22日閲覧。
  2. ^ a b c 主要研究者”. UT-Heart研究所. 2022年2月18日閲覧。
  3. ^ a b 役員”. ジャパンメディカルデバイス. 2022年2月18日閲覧。
  4. ^ 第15回情報科学技術フォーラム”. 2022年2月18日閲覧。
  5. ^ スーパーコンピュータ「富岳」を支えるコンパイラの技術”. サイエンティフィック・システム研究会. 2022年2月18日閲覧。
  6. ^ a b c これまでのFIT受賞者”. 船井情報科学振興財団. 2022年2月18日閲覧。
  7. ^ スーパーコンピュータ「京」を中核とするHPCI における 富士通の取り組み”. 高度情報科学技術研究機構. 2022年2月18日閲覧。
  8. ^ a b 招待講演(1)PRIMEHPC FX100の特長と概要”. 理化学研究所. 2022年2月18日閲覧。
  9. ^ a b c PRIMEHPC FX10後継機における性能と評価”. サイエンティフィック・システム研究会. 2022年2月18日閲覧。
  10. ^ a b スーパーコンピュータ「富岳」向けのアプリケーション開発環境”. 富士通. 2022年2月18日閲覧。
  11. ^ 省レジスタアーキテクチャ向けソフトウェアパイプライニングの評価”. 情報処理学会. 2022年2月18日閲覧。
  12. ^ CB-004省レジスタアーキテクチャ向けソフトウェアパイプライニングの評価”. 情報処理学会. 2022年2月18日閲覧。
  13. ^ a b 当社子会社が文部科学省スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラムにメンバー参画し、技術者2名が主要研究者として登録されました”. PR TIMES. 2022年2月18日閲覧。
  14. ^ a b 文部科学省スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラムにて、当社の技術者が担当している「富岳」全系の1/2規模を用いた心臓シミュレーションに成功しました。”. PR TIMES. 2022年2月18日閲覧。
  15. ^ a b スーパーコンピュータ「富岳」における心臓シミュレータ UT-Heartの高度化”. 第2回「富岳」成果創出加速プログラム 研究交流会. 文部科学省 スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラム (2023年3月7日). 2023年3月16日閲覧。
  16. ^ 新取締役CFO就任、および経営体制変更のお知らせ”. PR TIMES. 2023年8月31日閲覧。
  17. ^ a b 運用体制”. 「富岳」で目指すシミュレーション・AI駆動型次世代医療・創薬. 2024年3月22日閲覧。
  18. ^ スーパーコンピュータ「富岳」を支えるコンパイラの技術”. 科学技術計算分科会 2020年度会合. サイエンティフィック・システム研究会 (2021年1月21日). 2022年2月18日閲覧。
  19. ^ ポスト京に向けたコンパイラの開発戦略”. 科学技術計算分科会 2018年度会合. サイエンティフィック・システム研究会 (2018年10月25日). 2022年2月18日閲覧。
  20. ^ スーパーコンピュータ「京」を中核とするHPCIにおける富士通の取り組み”. 第4回OpenFOAMワークショップ. 高度情報科学技術研究機構 (2016年12月16日). 2022年2月18日閲覧。
  21. ^ 「京」コンピュータにおける富士通の取り組みとOpenFOAMの評価”. 第3回OpenFOAMワークショップ. 高度情報科学技術研究機構 (2015年10月15日). 2022年2月18日閲覧。
  22. ^ PRIMEHPC FX100の技術について”. 第47回流体力学講演会/ 第33回航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウム. 日本航空宇宙学会 (2015年7月2日). 2022年2月18日閲覧。
  23. ^ PRIMEHPC FX10後継機における性能と評価”. 科学技術計算分科会 2014年度会合. サイエンティフィック・システム研究会 (2014年10月29日). 2022年2月18日閲覧。
  24. ^ オープンソースソフトウェアに対する富士通コンパイラの取り組み”. 第2回OpenFOAMワークショップ. 高度情報科学技術研究機構 (2014年10月17日). 2022年2月18日閲覧。
  25. ^ 富士通C++コンパイラの性能向上の取り組み”. OpenFOAMワークショップ. 高度情報科学技術研究機構 (2013年9月27日). 2022年2月18日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]