入野松原

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入野松原

入野松原(いりのまつばら)は、高知県幡多郡黒潮町入野の入野海岸に広がる松原。国の名勝[1]

土佐西南大規模公園内に所在し、周辺の住宅を塩害から守る防風保安林として機能している。域内に延喜式内社加茂神社とキャンプ施設がある[2][3]日本ウォーキング協会の「美しい日本の歩きたくなる道500選」に選ばれている。

概要[編集]

入野海岸は全長約4kmあり、その海岸に沿って松原(クロマツ林)が植林されている。 この入野松原は散策できる場所もあり、昭和3年に内務省により「名勝入野松原」として指定され、また日本ウォーキング協会の「美しい日本の道500選」に選ばれている。 ウォーキングやサイクリング、ドライブが多く行われている。 月見ヶ浜とよばれ浮津海岸から蛎瀬川河口に至る白砂の海岸。 天正の頃植えたといわれる老松の林が広がる。[4]

歴史[編集]

長宗我部元親の重臣谷忠兵衛忠澄中村城代の時、囚人を使役して植樹したものと伝えられる。 一方、それ以前に松原があったことが『土佐物語』に書かれているので、忠兵衛植樹説は捕植説であろうとも言われている  昭和3年2月17日、内務省告示第二十七号により国の名勝に指定され、次いで昭和31年1月17日、高知県公園条例により、入野海岸・浮津海岸を含めた九十ヘクタールが県立公園に、さらに昭和47年、土佐西南大規模公園に指定された。

伐採の危機[編集]

太平洋戦争末期の昭和20年、アメリカ軍上陸に備えて帝国陸軍より伐採命令が出され、松原は存亡の危機に立った。しかし、当時の中村営林署長堀内雍喜氏の懸命な努力によって伐採を免れた。[5]

指定[編集]

県立自然公園普通地域、史跡名勝天然記念物、都市公園、防風保安林

アクセス[編集]

所在地 [編集]

高知県幡多郡黒潮町入野

脚注[編集]

  1. ^ 入野松原”. 国指定文化財等データベース(文化庁). 2023年11月24日閲覧。
  2. ^ 名勝・入野松原の再生 ~地域連携による取組~”. 林野庁. 2023年11月24日閲覧。
  3. ^ 入野松原”. コトバンク. 2023年11月24日閲覧。
  4. ^ 黒潮町を散策してみよう!(緑・森林浴)”. 黒潮町. 2023年11月24日閲覧。
  5. ^ 入野松原”. 日本緑化センター. 2023年11月24日閲覧。

外部リンク[編集]

座標: 北緯33度1分48.2秒 東経133度01分23.9秒 / 北緯33.030056度 東経133.023306度 / 33.030056; 133.023306