作用素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

数学において作用素(さようそ、operator)とは、関数空間上の変換、すなわち関数を別の関数にうつす写像のことである。主に、関数解析学におけるヒルベルト空間上の線型変換のことを指し、同じものを物理学の分野、特に量子力学などでは演算子(えんざんし)と呼ぶ。また、数(定数関数)の集合に値をとる作用素は汎関数(はんかんすう、functional)と呼ばれる。

また、が空間に作用しているとき、群や環の各元が定める空間上の変換、あるいはその変換が引き起こす関数空間上の変換のことを作用素ということがある。

[編集]

たとえば、区間 (a, b) 上の連続的微分可能な関数 f にその微分 df /dx を対応させる写像

\frac{d}{dx}\colon\ C^1(a,b) \to C^0(a,b)

や可積分関数をその不定積分にうつす写像

f \mapsto \int f(x)dx

などは作用素である。

また、実数全体 R で二乗可積分な関数 f をそのフーリエ変換

\mathfrak{F}f(\xi) = 
  \int_{-\infty}^{\infty} f(x)e^{-2\pi i x\xi}\,dx

に移す写像(これもフーリエ変換と呼ばれる)

\mathfrak{F}\colon L^2(\mathbb{R}) \to L^2(\mathbb{R})

も作用素の例である。

あるいは、g が空間 X の可逆変換であるとき、X 上の複素数値関数全体の成すベクトル空間を C[X] とあらわすと、

\pi(g)f(x) := f(g^{-1}x)\quad(x \in X)

として作用素 π(g): C[X] → C[X] が定義される。

作用素の分類[編集]

線型作用素 (linear operator)
ある空間上の関数の成すベクトル空間の変換で、それ自身が線型写像であるものを線型作用素という。抽象的には無限次元の行列と同一視される。たとえばフーリエ変換はL^2上の線型作用素である。

連続性 (有界性) による分類

  • 有界作用素
  • 可閉作用素 (前閉作用素とも言う)
  • 閉作用素
  • コンパクト作用素

次の様な分類も有る

有名な作用素
  • 微分作用素 (derivation)
    積の公式: D(fg) = Df g + f Dg を満たすような線型作用素 D微分作用素であるという。オイラー作用素 xdxナブラなどは微分作用素の例である。
  • 積分作用素
    フーリエ変換やディラックのデルタ関数のように積分を使って表される線型作用素。

有名な作用素[編集]

関連項目[編集]