両磐

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一関都市圏から転送)
明治初期の磐井郡(現在の両磐)の範囲

両磐(りょうばん)は、旧磐井郡を指す地域名。

磐井郡と両磐[編集]

磐井郡は、分割前の陸奥国中部(後の陸中国)にあった近世は、仙台藩領と一関藩領(実質的な仙台藩の支藩)に属し、明治以降は陸中国、一関県水沢県磐井県岩手県に属した。

1878年(明治11年)に西磐井郡東磐井郡に分割されて磐井郡は消滅したが、両者を合わせて「両磐」との呼称が生まれた。現在は、磐井郡よりも「両磐」の方が当地を指す名称として一般的である。

平成の大合併において、一関市を中心に両磐地区合併協議会が設置され、全域での合併協議が行われた。奥州藤原氏の拠点であり、平安時代末期には平安京に次ぐ日本第二の都市であった平泉の名を採って「平泉市」となる予定であったが、名称に関わる裏取引が発覚して合併協議は破綻した。その後、一関市を中心とした合併がなされて「両磐」のほとんどが一関市となり、平泉町藤沢町が各々単独町制の道を選んだ。当初一関市との合流を望んでいた藤沢町は、財政上の問題がクリアされ、改めて一関市に合流している。

都市圏[編集]

一般的な都市圏の定義については「都市圏」を参照

都市雇用圏[編集]

当地域の都市雇用圏(10% 通勤圏)の変遷は以下のようになっている。

  • 10% 通勤圏に入っていない自治体は、各統計年の欄で「-」で示す。
  • 旧磐井郡ではない自治体(岩手県胆沢郡衣川村、宮城県栗原郡金成町)は、背景を灰色で示す。
自治体
('80)
1980年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 自治体
(現在)
岩手県 胆沢郡 衣川村 - - 一関 都市圏
117414人
水沢 都市圏 一関 都市圏
149496人
奥州 都市圏 奥州市
西磐井郡 平泉町 一関 都市圏
92459人
一関 都市圏
111629人
一関 都市圏
110034人
一関 都市圏
135987人
平泉町
花泉町 一関市
一関市
東磐井郡 川崎村
東山町 -
大東町 - - - -
千厩町 - - - -
室根村 気仙沼 都市圏 気仙沼 都市圏 気仙沼 都市圏 気仙沼 都市圏
藤沢町 - - - -
宮城県 栗原郡 金成町 - 一関 都市圏 一関 都市圏 一関 都市圏 - - 栗原市

行政の取り組み[編集]

一関市が平泉町と定住自立圏形成協定を2013年に結び、一関・平泉定住自立圏を形成している。

関連項目[編集]