ヤハウィスト

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ヤハウィスト[1]ドイツ語: Jahwist)とは、文書仮説で想定されているモーセ五書の創作者である。ヤハウェの名称を使った個人もしくはグループとされる。ヤーウィスト[要出典]ヤーヴィスト[2]とも。

概要[編集]

創世記』2章4節後半 - 3章では、創造主をヤハウェ・エロヒムと呼ぶ(日本では主なる神または神である主と訳されている)。この物語の部分は、ヤハウィスト資料と呼ばれる(同じくJ資料ともいう)。

以前の学説では、ヤハウィスト資料は祭司記者資料よりも古いとされてきたが、研究が進み、表現形式・信仰内容も知恵文学に近い部分もあり、現在では、上記バビロニア捕囚よりも後代という説が強くなってきている。この場合も、神話というものではなく、知識階層の人々が自分たちの信仰を執筆しており、ヤハウェ・エロヒムと人間に対し深い洞察がなされている。

脚注[編集]

  1. ^ 月本昭男(『古典としての旧約聖書』聖公会出版、1998年)、山我哲雄(C. レヴィン『旧約聖書—歴史・文学・宗教』教文館、2004年)、大串元亮(H. W. ヴォルフ『旧約聖書』新教出版社、1991年)に確認される表記。またヤㇵウィストのようにハを小書きする表記もある(西村俊昭、エドモン・ジャコブ原著『旧約聖書』白水社、改訂新版1986年)。
  2. ^ 左近淑『旧約聖書緒論講義』教文館、1998年。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]