ムーシールド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ムーシールド(MUH Shield)は日本大学歯学部講師で東京都調布市にて診療所を開業をしている医師、柳澤宗光1983年に考案した、3歳児健診にて反対咬合を指摘された低年齢児に使用可能なマウスピース型矯正装置。2005年アメリカ合衆国のAmerican Orthodontics社より製品が発売されている。

概要[編集]

幼児期の反対咬合は自然治癒がみこまれるとされるが、2歳で反対咬合だった子の50%は自然治癒する一方で、3歳になると、治癒率は6%程度に低下する[1]。そのため反対咬合は3歳より治療適応となる。しかし、いままで矯正治療では低年齢児に対応できる治療法が少なかった。ムーシールドは就寝中にマウスピース型の矯正装置をくわえるだけという簡便さのため、幼い子に対しても負担が小さく応用できる。筋機能を正常化させ、咬合の乱れを整えるというのがムーシールドの考え方。1年間程度の就寝時のみ装着で、症状の改善がはかられる[2][3]

作用機序[編集]

  • 上口唇圧を排除し、口唇圧のバランスを整える。
  • 低位舌を改善し、逆被蓋の改善を促す

脚注[編集]

  1. ^ 永原ら
  2. ^ 柳澤(1994)
  3. ^ 柳澤宗光他(1985)

参考文献[編集]

  • 永原邦茂飯塚哲夫乳歯反対咬合者の咬合の推移-乳歯反対咬合の自然治癒を中心として-」『愛知学院大学歯学会誌』第30巻第1号、愛知学院大学歯学会愛知県名古屋市千種区、1992年、223-229頁、ISSN 0044-6912NAID 800064335442011年3月2日閲覧 
  • 柳澤宗光他「機能的矯正装置による反対咬合者の治療に関する研究」『日本矯正歯科学会雑誌』第44巻第4号、日本矯正歯科学会、1985年、734頁、ISSN 1349-0303 
  • 柳澤宗光「小児の反対咬合治療の開始時期について」『デンタルダイヤモンド』第19巻第13号、デンタルダイヤモンド社、1994年、186-189頁、ISSN 0386-2305 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]