ピロリン酸塩
| ピロリン酸塩 | |
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別称
Diphosphate
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| 識別情報 | |
| PubChem | 644102 |
| ChemSpider | 559142 |
| DrugBank | DB04160 |
| ChEBI | CHEBI:18361 |
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| 特性 | |
| 化学式 | P2O74− |
| 特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 | |
化学において、ピロリン酸の陰イオン、塩、エステルはピロホスファート(pyrophosphate)と呼ばれる。2つのリン酸基を含む全ての塩あるいはエステルは二リン酸(diphosphate)と呼ばれる。食品添加物として、二リン酸類はE450として知られている。
目次 |
[編集] 化学
ピロホスファートは初めはリン酸を加熱することによって調製されていた(pyro-はギリシャ語で火を意味する)。ピロホスファートはよい錯化剤であり、工業化学において様々な用途で使用されている。ピロホスファートはポリリン酸類に含まれる最も小さな単位である。
ピロホスファートという用語は、ジメチルアリル二リン酸 (dimethylallyl pyrophosphate) のように無機リン酸と生物化合物との縮合により生成するエステルの名称でもある。この結合は高エネルギーリン酸結合とも呼ばれている。
テトラエチルピロリン酸の合成は、1854年にPhilip de Clermountによってフランス科学アカデミーの会合で初めて発表された。
[編集] 生化学
ピロホスファートは生化学において非常に重要である。アニオンP2O74−はPPiと略記され、細胞中で起こるATPのAMPへの加水分解によって生成する。
ATP → AMP + PPi
例えば、ヌクレオチドが成長中のDNAあるいはRNA鎖にポリメラーゼによって取り込まれる時、ピロホスファート (PPi) が解放される。ピロホスファートと3'-ヌクレオチド一リン酸(NMPあるいはdNMP)との反応である加ピロリン酸分解 (pyrophosphorolysis) は重合反応の逆反応である。オリゴヌクレオチドからは対応するヌクレオチド三リン酸(DNAからはdNTP、RNAからはNTP)が除去される。
ピロホスファートアニオンの構造はP2O74−であり、ホスファートの酸無水物である。水溶液中では不安定であり、無機リン酸へと加水分解される。
P2O74− + H2O → 2 HPO42−
PPi + H2O → 2 Pi
酵素触媒非存在下では、ピロホスファート、鎖状三リン酸、ADP、ATPといった単純なピロホスファート類の加水分解反応の進行は、高酸性媒質中以外では通常極度に遅い[1]。
この無機リン酸塩への加水分解によってATPのAMPおよびPPiへの切断といった生化学反応は不可逆となっている。
PPiは石灰化を妨げるのに十分な量が髄液、血漿、尿に存在しており、細胞外液 (ECG) におけるヒドロキシアパタイトの天然阻害剤であると考えられる[2]。細胞は細胞内PPiをECFに通すと考えられている[3]。ANKは細胞外PPiレベルを保つための非酵素的細胞膜PPiチャネルである[3]。膜PPiチャネルであるANKの機能低下は細胞外PPi量の低下と細胞内PPiの上昇と関連している[2]。エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ (ENPP) は細胞外PPiの上昇のために機能していると考えられている[3]。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ Huebner PWA, Milburn RM (May 1980). “Hydrolysis of pyrophosphate to orthophosphate promoted by cobalt(III). Evidence for the role of polynuclear species”. Inorg Chem. 19 (5): 1267–72. doi:10.1021/ic50207a032.
- ^ a b Ho AM, Johnson MD, Kingsley DM (Jul 2000). “Role of the mouse ank gene in control of tissue calcification and arthritis”. Science. 289 (5477): 265–70. doi:10.1126/science.289.5477.265. PMID 10894769.
- ^ a b c Rutsch F, Vaingankar S, Johnson K, Goldfine I, Maddux B, Schauerte P, Kalhoff H, Sano K, Boisvert WA, Superti-Furga A, Terkeltaub R (Feb 2001). “PC-1 nucleoside triphosphate pyrophosphohydrolase deficiency in idiopathic infantile arterial calcification”. Am J Pathol. 158 (2): 543–54. doi:10.1016/S0002-9440(10)63996-X. PMC 1850320. PMID 11159191.
[編集] 推薦文献
- Schröder HC, Kurz L, Muller WEG, Lorenz B (Mar 2000). “Polyphosphate in bone”. Biochemistry (Moscow). 65 (3): 296–303.