ヒンキー・ディンキー

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ヒンキー・ディンキー (Hinky Dinky) は、かつてアメリカ合衆国で、ネブラスカ州オマハを拠点とし、おもにネブラスカ州とアイオワ州に店舗を展開していたスーパーマーケット・チェーン。

歴史[編集]

ヒンキー・ディンキーは、1925年にオマハで、ジュール (Jule)、ヘンリー (Henry)、アルバート (Albert) のニューマン (Newman) 兄弟と、その従兄弟だったベン・シルヴァー (Ben Silver) によって、グロサリーのチェーンとして創業した。当時、これに先んじて展開していたスーパーマーケット・チェーンに、ピグリー・ウィグリー (Piggly Wiggly) があった。すでに大きな成功を収めていたピグリー・ウィグリーのように、かわいい名前が広く人々の好感を呼ぶことを期待し[要出典]、創業者たちは第一次世界大戦のときの歌「Hinky Dinky Parlez-vous」(Mademoiselle from Armentières を参照)から名をとって、ヒンキー・ディンキーと名付けた。

1972年、ヒンキー・ディンキーは、トム・サム英語版を運営する、ダラスのカラム・カンパニー (Cullum Companies) に買収された。最盛期のヒンキー・ディンキーは、50店舗ほどを運営していた[1]。しかし、カラムはヒンキー・ディンキーから上がる利益を、トム・サムの運営への投資に回し、ヒンキー・ディンキーの店舗への投資は、比較的小さなものにとどまった[2]1984年に、組合に結集した従業員たちがストライキを敢行したことも、収支に悪影響を及ぼした。1980年代半ばには、多くの店舗が売却されたり、閉鎖され、残された少数の店舗は各地に散在する状態となっていた。1985年、ロン・バッドリー (Ron Badley) が、カラムからヒンキー・ディンキーの商標と少数の店舗を買い取った。2000年、残されていた店舗は、グロサリー配送業のナッシュ・フィンチ・カンパニー英語版に売却され、同社は残されていたヒンキー・ディンキーの店名をすべて除去した[3]

ヒンキー・ディンキーは、銀行と提携して店内に銀行窓口を設けたパイオニアであった[4]

テレビドラマ『ベター・コール・ソウル (Better Call Saul)』シーズン2、第7話「風船人形 (Inflatable)」では、キム・ウェクスラー (Kim Wexler) の台詞の中でヒンキー・ディンキーが言及されている。

脚注[編集]

  1. ^ "Nash Finch Purchasing Hinky Dinky," Omaha World-Herald, January 18, 2000
  2. ^ "Big Tom Thumb," Supermarket News, September 28, 1998
  3. ^ Minnesota-Based Nash Finch to Buy Omaha, Neb.-Based Grocery Chain, Supermarket News, January 24, 2000. Retrieved on May 8, 2007
  4. ^ Cash in Supermarkets, Time, June 9, 1975. Retrieved on June 12, 2007

外部リンク[編集]