バッチフラワー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索

バッチフラワーは、ホメオパシーの一形態としての思想に基づき、信奉者への「病気の治癒」を目的として行われる行為、あるいはその思想を指す。英国のホメオパス、エドワード・バッチが創始した擬似科学の一種である。日本では「フラワーエッセンス」という名称で商業展開されている。

目次

[編集] 概要

バッチフラワーに用いられる療剤は、一般にレメディー(バッチフラワーレメディー)と称する液体である。植物の花びら結露、あるいは蒸散したには波動 (オカルト)エネルギーがあるとされ、この花びらを洗面器に浸し、蒸留水で希釈して製造される。バッチフラワー療法は、38種類の植物および鉱物上の結露を原料とするレメディーを用いる。

レメディーは人工防腐剤または添加物を含まない。ホメオパシーの「療剤」と同様に、高度希釈されているため原成分は残らず、中身はほぼ完全に溶剤のみとなる。チンキ剤は腐りやすいので保存しにくく、ブドウアルコールまたは他のアルコール溶剤(通常、水を加えたブランデーまたはコニャック)を防腐剤として混ぜる。また、酒税が設けられている国では、防腐剤としてビネガーを使用したものを輸入している[1]

レメディーは単独で使われることもあるが、しばしば複数が調合される。信奉者たちは一般に「プラクティショナー」と呼ばれる、バッチフラワー治療を専門に行う者が、患者の情緒的あるいは精神的状態に応じて、各種レメディーを処方し服用させる。

最も商業的に成功したレメディーは、数種類のレメディーを調合して製造される「レスキューレメディー」である。その成分に、特に緊急事態においてストレス、心配、およびパニック発作を緩和する効果が期待される、と信奉者によって喧伝されているが、メタ解析によってプラセボ効果以上の実効性はない、と報告されている(後述)。

[編集] 効果の信憑性

レメディーは、エドワード・バッチによって創始された原則に基づき、世界中で製造されている。しかし、レメディーは、ホメオパシーの一分派であるため、医療現場からの排除が推奨されている。

レスキューレメディーを始めとするレメディーは動物にも使われており、鎮静効果、問題行動を改善する効果が期待される一方で、各国の研究機関による臨床試験においては、有効な特異点はなんら観察されず、「プラセボ効果以上の有効性は見出されない」と報告されている。

アメリカ国立衛生研究所は、サイト上で「厳密な臨床試験の結果、レメディがプラセボ効果を超えるという仮説は、支持されていない」と公表している[2]

また、アメリカ癌学会(米国対ガン協会)は、「注意欠陥障害の臨床試験におけるプラセボ群との優位差は認められなかった」とするイスラエルの研究、「不安障害の臨床試験におけるプラセボ群とフラワーエッセンス群に優位差は無かった」とするドイツの研究を報告。さらにFDAに届け出る必要のないサプリメントとして販売されていること、他の医薬品、食品、ハーブやサプリメントとの相互作用や有害作用を調べる検査がなされていないことも補足。「臨床研究として不完全と見なされる必要がある」と結論づけ、「がん治療の代替医療としてこのタイプの治療に依存し、従来の医療を避けたり延期したりすると、健康に深刻な影響をもたらす可能性がある」と警告している。

[編集] 国内法との兼ね合い

レメディーが効能や効果をもつ医薬品であるとうたわれた場合や、あたかも医薬品であり効能・効果があるという誤認を招く表現とともに販売された場合は、薬事法に違反する可能性が高い。また、プラクティショナーが「治療」、「処方」と称して医療に類似する行為を行った場合、医師法に明確に違反し、処罰の対象となる。

[編集] 脚注

  1. ^ 2006年8月から、日本での保存剤はグリセリンに変更された。
  2. ^ NCBI "Flower remedies": a systematic review of the clinical evidence.

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語