デバイ-ヒュッケルの式

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デバイ-ヒュッケルの式は電解液の中のイオン相互作用統計力学的に解析したものである。ピーター・デバイエーリヒ・ヒュッケルの名前にちなんでいる[1]

電解液全体で電気的中性の条件が成り立っていることと、各イオンが統計的に分布することを仮定する。

活量係数[編集]

電解液中のある成分(イオン)について 活量 a_iとイオン濃度c_iの間に

a_i = f_i \cdot c_i

ここでf_iを活量係数とする。

イオン強度I

 I = \frac{1}{2} \sum_i c_i z_i^2
c_i 電解液の濃度
z_i イオンの電価
 \varkappa = \left(\frac{2N_A e^2 I}{\varepsilon kT}\right)^\frac{1}{2}
e 電気素量
\varepsilon 誘電率 \varepsilon=\varepsilon_r\varepsilon_0
k ボルツマン定数)
T 温度
N_A アボガドロ定数

として

活量係数 f_i

 \ln f_i = -\frac{z_i^2 e^2}{8\pi\varepsilon kT}\cdot\frac{\varkappa}{1+\varkappa\, r_i}
r_i イオン半径

次のようにも書ける。

 \lg f_i = -\frac{A\, z_i^2\, \sqrt{I}}{1+B\, r_i\, \sqrt{I}}

ここで

A = \left(\frac{e^2}{4\varepsilon kT}\right)^\frac{3}{2}\left(\frac{2N_A}{\pi^2}\right)^\frac{1}{2}\frac{1}{\ln 10}
B = \sqrt{\frac{2N_A e^2}{\varepsilon kT}}
妥当性の範囲はだいたいI\le 10^{-2} mol dm-3の領域である。

デバイ長[編集]

\varkappaデバイの遮蔽定数ともよばれる)の逆数

 \varkappa^{-1} = \sqrt{\frac{\varepsilon kT}{2N_A e^2 I}}

はまわりのイオンの影響でイオンの電荷による電界の影響が小さくなる距離を示しデバイ長とよばれる。

なお、プラズマに関連してのこの概念については項目「デバイの長さ」を参照。

脚注[編集]

  1. ^ P. Debye and E. Hückel, "Zur Theorie der Elektrolyte. I. Gefrierpunktserniedrigung und verwandte Erscheinungen," Physikalische Zeitschrift, 24, p.185 (1923)