ボルツマン定数

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ボルツマン定数
Boltzmann constant
記号 k, kB
1.3806488(13)×10−23 J K−1
相対標準不確かさ 9.1×10−7
語源 ルートヴィッヒ・ボルツマン
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ボルツマン定数(ボルツマンていすう、: Boltzmann constant)は、統計力学において、状態数エントロピーを関係付ける物理定数である。統計力学の分野において重要な貢献をしたオーストリア物理学者ルートヴィッヒ・ボルツマンにちなんで名付けられた。 通常は記号 k が用いられる。特にBoltzmannの頭文字を添えて kB で表されることもある。

ボルツマン定数の値は

k =1.380\ 6488(13) \times 10^{-23}\ \text{J}\ \text{K}^{-1}

である(2010CODATA推奨値[1])。

エントロピーの次元を持ち、SIにおける単位はジュールケルビン(記号: J K−1)が用いられ、熱力学温度エネルギーを関係付ける定数として位置付けられる。2018年に予定されている新しいSIの定義においては、ボルツマン定数をケルビン定義に用いることが提案されている。新しいSIの定義ではボルツマン定数の値は不確かさを持たず、その値は正確に k=1.3806488×10−23 J K−1 又はこれの修正値[2]として定義されることになる。

定義[編集]

ボルツマン定数は他の物理定数と絶対温度の定義からその値が決定されるため、原理的には派生的な物理定数である。しかし、ボルツマン定数を基本原理から求めることはあまりに複雑すぎるために、まだ達成できておらず、実験的に決定された値が用いられている。

気体定数 R は、ボルツマン定数 kBアボガドロ定数 NA を掛けたものである。

R = k_\mathrm{B} N_\mathrm{A}

気体定数はモル単位で粒子の数を数えるときにより有用である。

意味[編集]

気体分子運動論[編集]

熱力学系の絶対温度を T とすると、ボルツマン定数によってエネルギー E = k BT が定義され、これは大まかに言うと古典的に振る舞う系のミクロな粒子によって運ばれる熱エネルギーである。たとえば、理想気体中の単原子分子は (3/2)k BT の平均運動エネルギーを持つ。また、室温 300 K (27 ) に対応するエネルギー k BT の値は 4.14 × 10−21J である。

エントロピーとの関係[編集]

統計力学では、与えられた(固定された全内部エネルギー E のような)マクロな束縛に対して可能な異なるミクロ状態の数 Ω の自然対数を用いて、エントロピー S が定義される。

S=k_\mathrm{B} \ln \Omega

比例定数 k B がボルツマン定数である。この等式は、系のミクロな詳細と系のマクロな状態を関係づけていて、これが統計力学の中心的な考え方である。

脚注[編集]

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  1. ^ CODATA Value: Boltzmann constant
  2. ^ 新しいSI冊子(第9版)の提案[1] Draft Chapters 1, 2 and 3 of the 9th SI Brochure(Draft dated 16 December 2013) , p.10/29の右側欄外の囲み注記